Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
表皮角化細胞は,通常は無血清増殖培地で培養されるが,この培養系では増殖した表皮角化細胞の抽出蛋白・培養上清ともウエスタンブロットではPDGFは検出されず,培地にEGFないしbasicFGFを添加したときに培養上清のみからPDGFのバンドが検出された。さらに抗PGDF-AA抗体,抗PDGF-BB抗体を用いて,検出されるPDGFのアイソフォームを検討したところ,表皮角化細胞は主としてPGDF-AAを産生していることが明らかとなった。 次に,モルモットの皮膚欠損モデルを用いて,免疫組織化学とin situ hybridizationによって,表皮角化細胞のPDGFの発現とそのアイソフォームを検討したところ,創辺縁部と再生表皮に限局してPDGF-AAの蛋白およびmRNAが発現しており,前述の培養系と一致する結果が得られた。 以上の結果から,表皮角化細胞は通常PDGFを発現していないが,サイトカインなどの刺激により増殖期に入ると主としてPDGF-AAを発現するようになり,産生されたPDGF-AAは速やかに分泌されるものと考えられた。 創傷治癒過程においては,サイトカインなどにより刺激された表皮角化細胞がPDGFを産生し,分泌されたPDGFが創傷治癒を促進することが示唆された。このような,PDGFを介したサイトカインネットワークが皮膚において,様々な生理的意義を有するものと推測される。
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