Project/Area Number |
11J09425
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 理紗 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 月 / マグマオーシャン / 分化 / バルク組成 / 斜長岩質地殻 / マグマ物性 / ピストンシリンダー / 希土類元素 / 酸化還元状態 / 境界層 / 結晶粒径 |
Research Abstract |
本研究では固体惑星の初期進化の統一的理解を最終目標としている。そのために、まず固体天体の初期進化を実証的に検討することができる月の観測事実から、惑星の初期組成とマグマオーシャンの冷却過程の関係を明らかにする。そして月により検証されたモデルと、実験的に決定された種々のパラメータを使い、任意のサイズ・初期組成を持つ固体天体についての初期進化をフォワードに予測する。そのために(1)月化学組成の推定、(2)高圧下でのマグマの物理的、化学的性質の決定、(3)固体天体初期分化モデルの構築、を目指している。 当該年度の研究では、本研究で制約してきた月化学組成に対して、観測データの誤差や、地球のマグマ溜まりで知られている実際のマグマの複雑な物理過程を考慮したときに本研究の結果に与える影響の詳細な評価を行った。その結果、本研究で制約された組成はFeO量の下限値とAl203量の上限値に関しては非常に強い制約を与えられているという結論を得ることができた。さらに、制約した月バルク組成から得られる月の起源と初期進化に対する示唆を検討した。月の起源に関しては、近年議論されている3つの巨大衝突モデルに対して、起こりうる月円盤での高温での化学進化を考慮すると、衝突天体組成の月円盤が形成される巨大衝突モデルを支持することが述べられている。これはFeO量とAl_2O_3量を同時に高い精度で制約した結果初めて得られた知見である。また月の初期進化に関しては、制約した組成から形成される内部構造が示されている。マグマオーシャンから形成される内部構造は、マントルオーバーターンや海の玄武岩のソースとなる初期条件を与えるものであり、これらの研究に対する貢献が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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