Project/Area Number |
11J09998
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Research Fellow |
青山 晋 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 鞭毛 / ダイニン / 微小管 / MEMS |
Research Abstract |
真核生物の鞭毛・繊毛は、9本の2連微小管が円筒状に並んだ構造を取っており、モーター蛋白質のダイニンが発生させる滑り力を駆動源として波動運動を行う。私は本研究において、微小管とダイニンから運動システムを構築するという方法で、波動運動発生のメカニズムの解明を目指している。 前年度までの研究から、運動システムの基本骨格となる微小管配列を作製できるようになった。また、その微小管配列にダイニンを付与した上で、微小管結合蛋白質のMAPを使って微小管を束化することによって、低頻度ではあるものの鞭毛運動のような屈曲の繰り返し運動を発生させることに成功した。 本年度は、その振動的屈曲運動をより安定して発生させるための研究を行った。運動が起こりにくい一つの大きな原因は、MAPの電気的な性質によって微小管がガラス基板表面に張り付いてしまうことであったため、基板表面を長鎖の不活性分子であるポリエチレングリコールで化学的にコートすることを試みた。これによって、微小管の基板表面への張り付きはほぼ完全になくなり、スムーズな運動を発生させられるようになった。また、微小管間の架橋の強さの最適化によって屈曲運動発生率を上げるため、いくつかのMAP濃度条件で運動を発生させる実験を行い、MAPの濃度を3μM程度にしたときに目的とする屈曲運動が発生しやすいことを明らかにした。 実験と並行して運動の解析も行い、屈曲が微小管の束の根本(固定端)から先端へとわずかに伝播していることを発見した。屈曲の伝播は鞭毛運動の特徴であり、最低限の運動要素からなるシンプルな系においてこの現象が見られたことは驚きである。 本研究の結果は、微小管の束の中におけるダイニン活性の自己制御が鞭毛運動の本質である可能性を示しており、鞭毛の運動メカニズムを解明する上で重要な知見になると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)