新たな波形インバージョンを用いた太平洋下のCMB超低速度領域の解明
Project/Area Number |
11J10283
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
入谷 良平 東京大学, 地震研究所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 内核 / 減衰 / 周波数依存性 / 広帯域地震波データ / 地震波減衰 / simulated annealing |
Research Abstract |
地球の中心に位置する内核には、地震学的な特徴として、表層では西半球で低速度・低減衰、東半球で高速度・強減衰という半球不均質構造をしていることが明らかになってきた。しかし、観測データの複雑性から、表層から100~300kmの領域は解析されておらず、半球構造の成因は不明なままだった。本研究ではsimulated annealingを用いた地震波解析手法を開発し、それをグローバルな地震観測網で観測されたcore phaseデータに適用することで、内核表層から400kmまでの連続的な減衰・速度構造推定、及び減衰の周波数依存性を推定し、統一的な解釈を行った。 減衰構造は表層300kmにおいて顕著な不均質構造が見られ、東半球では強減衰から弱減衰になる構造、西半球は北米下とアフリカ下で異なる構造が見られ、西半球内にも不均質構造があることが分かった。一方で、速度構造は西半球内の不均質は確認できず、西半球は低速度、東半球で高速度な領域が表層200kmにおいて存在することが分かった。また、減衰の周波数依存性に関しては、東半球では解析周波数領域で減衰の周波数依存性は無く、西半球では依存性が見られた。地震波減衰の原因が散乱だと考えると、解析周波数領域と同等のスケールの散乱体が存在すると減衰の周波数依存性がなくなり、さらに強減となる。一方、散乱体のスケールが小さくなると減衰の周波数依存性が現れ、地震波速度が低下する。本研究での結果はこの傾向と調和的であり、東半球が西半球に此べてgrain sizeが大きく、さらに西半球内では、アフリカ下は一様にgrain sizeが小さいのに対し、北米下では深くなるにつれて大きくなると考えられる。以上より、本研究によって、内核の不均質構造は表層300kmに限定され、深さ方向には単純な東西半球構造ではなく、さらに小スケールの不均質があることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)