Project/Area Number |
11J11149
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
今給黎 佳菜 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員DC2
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 近代日本 / 陶磁器輸出 / アメリカ市場 / 大量消費社会 / 日本近代史 / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
本研究の目的は、近代日本における陶磁器輸出について、輸出先である欧米市場の動向と国内陶磁器業発展の相互関係性について、日本側・欧米側双方の視点に立って明らかにすることである。 本年度は、アメリカ市場分析の比較材料を得るため、2012年10月19日から11月2日までの15日間、ヨーロッパにおいて史料調査をおこなった。具体的には、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館および大英博物館にて、またパリのギメ東洋美術館にて、近代の日本陶磁器輸出において重要な位置を占めていた薩摩焼のコレクションを中心に調査・撮影した。また、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館内のNational Art Libraryにて、百貨店「リバティ」の商品カタログ(19世紀末~20世紀初)を調査し、日本陶磁器が掲載されている部分を計23冊分撮影した。本調査によって、前年度アメリカで収集した史料と比較分析が可能な史料を得ることができたと共に(陶磁器価格を表す史料等)、ヨーロッパの研究者および学芸員との交流により、研究のネットワークを大きく拡げることができた。 また国内では、森村商事株式会社、株式会社ノリタケカンパニーリミテドにおいて、近代陶磁器輸出のパイオニアであった「森村組」に関する史料調査をおこなった。これにより、森村組輸出品の詳細なデータが得られたと共に、森村組のニューヨーク支店であった「モリムラ・ブラザーズ」の実態(組織、社員、給与、取引関係等)が具体的に浮かび上がってきた。 今後は本年度実施できなかったアメリカでの再調査によって史料を補足し、国内史料の分析と照らし合わせながら、博士論文として成果を公表する計画である。本研究によって、これまでの先行研究では結び付けられなかった美術陶磁器と産業陶磁器の関係性を示し、かつ陶磁器デザインの需要について社会経済史的に分析することによって、近代陶磁器輸出の実態をより包括的に明らかにできると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ヨーロッパ調査により本研究に重要な史料を収集できたのみならず、国内における新史料の発掘によって博士論文に非常に有用な史料を得ることができた。また、口頭発表および投稿論文を当初の計画以上に多数蓄積することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの史料調査および分析を基に、博士論文の完成を目指す。特に今後は、20世紀アメリカの大量消費社会(百貨店、格安チェーンストア、カタログ通信販売)の誕生が日本輸出陶磁器の受け皿として重要であったことを実証するため、アメリカにおける先行研究および史料の分析に重点を置く予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)