多元金属プルシアンブルー類似体の磁気光学効果と新規磁気特性
Project/Area Number |
12740358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大越 慎一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (10280801)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | プルシアンブルー類似体 / SHG / ファラデー効果 / 非線形磁気光学効果 / 磁気光学効果 / 非線形光学効果 / カラー磁性膜 / 分子磁性 |
Research Abstract |
申請者は、CN架橋金属錯体(プルシアンブルー類似体)を多元金属系にすることにより従来にはなかった新しい磁気物性あるいは機能性を備えた材料の開発を行ってきた。そこで、今年度は、バルクSHG光のファラデー効果(非線形磁気光学効果)を検討した。 試料のプルシアンブルー類似体薄膜(Fe^<II>_xCr^<II>_<1-x>)_<1.5>[Cr^<III>(CN)_6]は、K_3Cr(CN)_6、FeCl_3およびCrCl_3の混合溶液を還元電解合成することによって得た。SHG測定は、フェムト秒パルスのTi:Sapphireレーザー(波長775nm)を用い、透過の光学配置で計測した。温度依存性および外部磁場効果の検証はクライオスタットを仕込んだ電磁石中で行った。 面心立方晶系のプルシアンブルー類似体は木来SHG禁制であるが、電解合成によって作成した多元金属化プルシアンブルー薄膜では、膜厚方向への一軸異方性を反映したSHG挙動を示した。また、磁性材料にSHG活性を導入したことで、キュリー温度の前後でSHGに対して影響が現れることが期待される。実際、外部磁場をかけない状態においてもキュリー温度以下でSHGは強度変化を示した。このようなSH光強度変化は、補償点についても観察され、試料の磁化の温度依存性と一致した。このSH光強度の温度依存性は、試料の局所的な磁化を反映したものであると考えられる。さらに、外部磁場をかけることで偏光面の回転なども観察することができた。これらの変化はすべてスピンの配列に伴う対称性の変化を反映しているものと考えられる。 この研究は基礎的にも重要な意義をもつ。また、バルクSHG光であれば表面SHG光よりも圧倒的に強度が強く、高周波レーザーが急激に普及しつつある現在、デバイスへの応用も可能になると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)