Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,広域(数万〜数十万ha)を対象とした自然環境の概略的把握とその評価について,実際に道路建設が予定されている地域(約4万ha)でのケース・スタディを通して,1)地理情報のデータベース化とその分析に関する方法論の整理を行うとともに,2)研究地域における生態系の把握・評価に関する成果を得ることを目的としている. 地理情報データベースの構築について,既存地理情報の所在とデータ精度,紙媒体地図のデジタル化に関しての技術情報,集積されたデータ間での空間的精度および凡例に示される質的不整合の問題について整理ができた.地理情報データベースを利用した研究地域の環境把握に関して,研究地域(約4万ha)の地理的位置づけを周辺地域を含めた広域(約20万ha)の中で示す場合,使用可能なデータはデータ精度の整合性の問題から北海道あるいは全国を対象とした解像度の粗いデータであり,それによって地形,植生,流域内土地利用の分析指数から位置づけを示すことができた.これらについて,国際景観生態学会誌で公表予定である. 生態系の把握・評価に関して,マクロスケールとメンスケールでの調査・研究を実施した.例えば,メンスケールでは,一つの流域(琴平川流域)を対象地として,地理情報によって環境区分を行い,自動撮影カメラによって環境タイプにおける野生動物の確認情報を得る効率的な方法を開発し実施した.その結果,ヒグマ,エゾシカ,キタキツネ,タヌキ,クロテン,ユキウサギなどの動物種について,地形や植生が異なる環境タイプでその出現の有無と頻度に関するある程度の傾向が得られた.現地調査の期間が短かったため,今後継続調査を行い結果のレプリケーションを確認した上で公表したい.
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