Project/Area Number |
14J03519
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂井 晃介 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2015: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 社会システム理論 / 意味論 / 国家と社会の区別 / ドイツ社会国家 / 補完性 / 福祉国家 / 社会国家 / 19世紀ドイツ / ルーマン / 社会学的意味論 / 社会理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
報告者は、政治固有の合理性をとりわけドイツ社会国家の歴史的形成という側面から社会システム理論的に解明するという課題のもと、「国家と社会の区別」という歴史的文脈(1)と、社会政策の中心概念となった補完性概念Subsidiaritaetについての意味論的分析(2)を行った。 (1) 19世紀ドイツ諸領邦においてどのような国制的改革が行われ、それがその後どのような帰結をもたらしたかについて検討した。その結果、a.改革の結果政治領域は以前に比べ、より自律した形で政治的決定を産出するようになったこと、b. 改革の影響として1850年代の知識人が「社会」を問題含みな領域として発見したこと、c.この知識人の言説が間接的に政策担当者に影響を与え、それが80年代からの社会立法に結実したことが明らかとなった。このようなプロセスは、環境変異によって蓋然性の低い事態が複雑性を介して高い事態に転換されていく、機能システムの進化(とりわけ政治システムと学術システムの共進化)という近代特有の事態として捉えられる。 (2) ドイツ社会国家の形成に関わる主要概念のなかでも、先行研究において「ドイツ的」とみなされている補完性概念(諸個人の相互扶助能力が不能になった場合に限って、より大規模な高次の社会的集合体が介入できるという思想)について検討を行った。先行研究によればこの概念は、カトリック社会回勅に端を発する概念であるとされる。しかしながら報告者の分析によれば、同時代においてその機能的等価物は、カトリック勢力だけでなく、自由主義やプロテスタント、保守派にも見受けられる。それゆえこの概念が社会国家を支える理念になったという事態は、この発想がビスマルクの社会立法の背後で階級的・宗派的拮抗を維持しつつそれを超えて同時成立したからこそ、可能となったと考えられる。詳細な分析は今後の課題である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)