Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
行動する際に、予測が裏切られることによるパフォーマンス・脳機能の変動について、本年度は昨年度の結果の追試とともに、課題を実施する環境がパフォーマンス・脳機能に与える影響について検討を行った。人の存在がパフォーマンス・脳機能に与える影響をみた測定では、ゆっくりとした全身運動について、測定補助者が被験者の身体に接触する形で動作を補正しながら行ってもらう条件では、一人で動作を行ってもらう条件に比べ、脳血流量が顕著に増大する様子が観察された。また、短期記憶課題を一人で実施してもらう条件と、実験者の前で行動観察を受けながら実施してもらう条件を比較した結果、これらの条件間では測定指標が異なる振る舞いをすることが示唆された。平成15年度の結果とあわせて総合的に総括すると、人の脳機能はフェイントの混入、混入率の変化というような課題の変化、課題を行う周囲の環境の変化ともに影響を受けつつ、よりパフォーマンス高めるために脳機能の適応を試みながら課題を行っていることが示唆された。