Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
平成30年度前期は東京大学において、「モジュラー形式のリフティング」について取り組んだ。古典的なSiegelモジュラー形式の理論には、宮脇氏や伊吹山氏らによるリフティングの予想が未解決で残っていた。現在ではこれらの予想は、Arthurの重複度公式から得られると考えられているが、これには多少の計算を要するものであった。今年度、私はこの計算を実際に実行し、宮脇氏や伊吹山氏の予想を含む形で、ベクトル値のSiegelモジュラー形式に関する新しいリフティングの存在を証明した。これは、リフティングの構成問題など、新しい課題を生む結果である。さらにはこのリフティングの存在定理は、モジュラー形式の合同問題を扱うHardar予想にも応用があるようである。これについては今後、室蘭工業大学の桂田氏と議論する予定である。後期には北海道大学に移り、「Jacquet加群の局所Langlands対応による記述」について取り組んだ。Jacquet加群とはp-進群の表現論において最も基本的な概念の一つである。これを正確に計算する方法はこれまでに知られていなかった。そもそも正確に計算するには、表現を分類しておく必要がある。今年度、私は表現の分類法として局所Langlands対応を採用し、それの言葉でJacquet加群がどのように計算されるか、というアルゴリズムを与えた。これにより、表現のより詳しい性質を導くことができるようになると考えられる。また、今回はp-進群の表現論を扱ったが、同様の手法はLie群の表現論への適応・応用も見込まれる。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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数理解析研究所講究録
Volume: 2103 Pages: 122-125
Volume: 2077 Pages: 98-105
Journal of Number Theory
Volume: 185 Pages: 281-318
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Mathematische Annalen
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Representation Theory of the American Mathematical Society
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Inventiones mathematicae
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