銅輸送チャネルの局所構造の解明:多量体および膜中での分光測定手法の構築
Project/Area Number |
17J00845
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 毬子 東北大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 脂質二重膜 / バイオミメティクス / 環状ペプチド / 分光分析 / ペプチド / 金属イオン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、銅輸送タンパク質Ctrの細胞外ドメインに存在する銅結合配列(Cys/Trpモチーフ)の局所構造を、分光測定によって解析している。前年度の成果として、銅を結合したCys/Trpモチーフは脂質二重膜中へ埋没することが明らかになった。金属イオンをトリガーとして膜中へ移行するペプチド配列の発見は、新しい人工タンパク質の合成や、金属イオン応答性に機能する医薬品の開発につながる重要な結果である。前年度の結果を受け、このモチーフを用いて新規の機能性分子を設計し、その構造と機能を分光測定によって評価した。 L体とD体のアミノ酸が交互に並んだ配列をもつ6から12残基の環状ペプチドは平面構造をとる。さらにこの分子は分子間で水素結合を形成して、各分子が互いに平行になるように自己集合し、ナノチューブを形成する。ナノチューブは脂質二重膜中に移行するとイオンチャネル活性を示す。Cys/Trpモチーフは銅を結合していないと膜へ移行せず、銅を結合すると膜の中へ埋没することから、モチーフを修飾した環状ペプチドは銅に応答して活性を持つチャネル分子になると考えた。 6残基のアミノ酸からなる環状のペプチド分子を合成し、そこに3分子のCys/Trpモチーフを修飾した。修飾したCys/Trpモチーフは、修飾する前と同様の配位構造で銅イオンを結合した。しかし、合成した分子は、銅がなくてもチャネル活性を有することが明らかになり、前述の機構は成立しないことがわかった。その後検討を進めた結果、この分子はCys残基がS-S結合を形成しているとチャネル活性が低く、形成していないとチャネル活性が高いことが明らかになった。したがって合成した分子に、銅応答性にチャネル活性を変更する機能は与えられなかったが、還元剤などのS-S結合を切断する化学種に応答してチャネル活性を持ちうることが示された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)