フランス近世における歴史批評と無神論社会―ベールを中心に―
Project/Area Number |
17J00954
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
European literature
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷川 雅子 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ピエール・ベール / アントワーヌ・アルノー / ピエール・ニコル / 歴史批評 / 歴史的懐疑主義 / ポール・ロワイヤル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ピエール・ベールの歴史批評についての研究と、彼の無神論、道徳論を理解するために、ポール・ロワイヤルのアントワーヌ・アルノー、ピエール・ニコルとの関連を調べる研究を行った。まず歴史批評については、2019年3月にフランスのリヨンの国際学会「懐疑論的人間学と近代」での発表を、論文「ベールにおける会議論的人間学と歴史への信について」として寄稿した。論文では、ベールの歴史的懐疑主義を示すテクストと、ポール・ロワイヤル、スコラ学との関係を問い直し、懐疑主義、合理主義のいずれの枠にも収まらないベール像をより精緻に示すことを目指した。また、2019年11月のリヨンでの国際会議「自由思想と歴史」で「ベールと1680年代の歴史」と題した発表を行った。歴史的事件をめぐるカトリックやプロテスタントのテクストから、ベールのテクストもまた、同時代へのアクチュアルな呼応として具体的に捉えるべきであることを示した。発表は同タイトルの論文として提出済みであり、国際会議の論文集として刊行される。 さらに、過去の歴史を史料や証人への信頼に基づき、高い「蓋然性」で再構築できる、というベールの考えを共有するライプニッツにも着目した。彼らの関係を、中国の宗教と社会を巡る論争の中でも位置づけたい。当時、キリスト教の伝道師として派遣されたイエズス会が伝える中国の状況について盛んに議論されていた。これらの問題をめぐる、イエズス会やカトリック、プロテスタントの論争は典礼論争と呼ばれ、ベール、アルノー、ライプニッツも深く関心を寄せていた。中国で「天」と呼ばれる概念がキリスト教の神と同一であるとみなすイエズス会の立場に対し、ライプニッツは好感を示し、ベールとアルノーは反対する。中国とキリスト教の関連については相反しつつ、歴史学に関しての近しい知見を持つベールとライプニッツの比較を今後の課題としたい。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)