多言語状況下の文学研究―スワヒリ語作家ユーフレイズ・ケジラハビを中心に―
Project/Area Number |
17J04049
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Literature in general
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野田 風子 大阪大学, 言語文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | スワヒリ語文学 / アフリカ文学 / 作家研究 / 作品研究 / アフリカ諸語文学 / スワヒリ語 / タンザニア / 実験小説 / 自由詩 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究期間の最終年度である今年は、タンザニアのスワヒリ語作家ユーフレイズ・ケジラハビ(Euphrase Kezilahabi)の作家研究を前年に引き続き行い、研究の完成を目指した。以下に本年の研究成果の概要を記す。 ケジラハビも含め現代スワヒリ語文学の作家の多くは、西洋教育を受けたエリートである一方、出自民族への帰属意識も強く持っていると考えられる。よって本研究では、ケジラハビが(1)英語世界と(2)民族語世界という現代タンザニア社会に共存する二つの世界にいかなる影響を受けつつ、(3)スワヒリ語で執筆することにより、自分が所属する社会とどのような関係を取り結ぼうとしているのかという三つの課題を軸に彼の全作品を分析し、その作家像を捉えることを目的とした。初年度は(1)英語世界と、(3)タンザニア社会との関わりという観点から主に研究を行い、成果を得たため、本年度は(2)民族語世界との関わりという観点から研究に取り組んだ。 研究の主な題材としたのは、出自民族への帰属意識が強く表れているケジラハビの初期の小説と詩である。これらの作品を社会背景と照らし合わせて分析することにより、新生国家タンザニアのエリートの一人として、国家に貢献する義務を認識していたケジラハビが、一方では国家建設という大義によって権利を蹂躙された同郷の人々への共感をも抱いていたことが示唆された。分析の結果、当時のケジラハビの置かれたこのような板挟みの状態こそが、彼の初期作品に見られる政治的言及の曖昧さやわかりにくさの原因である可能性を提示することができた。 最終的に、ケジラハビの作家研究についての二年間の研究成果の総括を行い、ケジラハビの全小説と戯曲の概要を添えて博士論文にまとめ、大阪大学に提出した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)