Project/Area Number |
17J09096
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加藤 夢三 早稲田大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2017: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 科学思想 / 新感覚派 / 理論物理学 / 昭和初期文壇 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度の基礎研究に基づいて、科学受容の環境を支えた社会的・政治的背景について考証し、同時代の科学が担った「近代」への批評性を提示したうえで本研究を完遂させた。 (1)これまでの研究で得られた成果を引き継ぎ、必要な資料について調査・収集を進めた。(2)前年度にまとめた研究成果をもとに、「近代」という時代精神を基礎づける思考の原理について、同時代の自然科学のパラダイム・チェンジの波が担った批評性を浮かび上がらせ、新感覚派作家の想像力の源泉を既存の文学史の中に明確に位置づけた。(3)新感覚派作家たちの科学に対する探究心が、かたちを変えながらその後の純文学領域においても継承されていることを明らかにするため、影響関係のある後続の作品についても適宜検討を加えた。 考察を通じて、改めて昭和初期という時代が、近代理論物理学の成立と崩壊のパラダイムを同時に受容した特異な状況下にあったことを示したうえで、そのなかで文学者たちがどのような精神的動機のもとに理論物理学へと傾倒していったのかを明らかにした。 結論としては、昭和初期における文学者たちの問題意識もまた、時局においてナイーヴな国粋主義という〝超越的なもの〟と結託してしまうような危惧をはらんでいたわけだが、改めてその認識論的な葛藤に寄り添い、各々の「合理」から「非合理」にいたるまでの理路を問いなおしてみることは、モダニズムの芸術思潮を枠づけていた文学的想像力の源泉を考察するうえでも、きわめて有効な視座を与えるものであることを指摘した。以上を博士論文にまとめ、本研究における課題を達成・完了した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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