Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
農業生産を高く保つためには、施肥はかかせないものである。施肥は経験や土壌分析に基づいてなされているが、個々の作物は一生のうちにどれほどの元素量を必要としているのかについては明確な答えはない。植物の栄養元素応答への理解が深まれば効果的な施肥により作物の持つ適応能力を引き出し、少ない投資で効率よく栽培することが期待できる。本研究では、リン応答に働くと考えられている遺伝子発現とリンイメージング技術とを統合的に解析することにより「植物のリン環境認識機構」の解明および施肥量を調節するための重要なターゲット遺伝子とその昨日を明らかにすることを目指している。本年度は、まず、解析対象のリン応答遺伝子(BT遺伝子)についてプロモーターGUSラインの観察を進めた。低リン環境下では、側根周囲の一細胞特異的に遺伝子発現局在が見られ、高リン環境ではGUS染色が根全体とくに維管束領域に強くみられた。BT遺伝子のプロモーター領域がリン環境に応答して発現局在を変えることの再現性を確認した。さらに昨年度に引き続きbt変異体株の表現系の観察を行った。野生型株と変異体株の間でリン酸濃度としての違いがみられないことを確認した。しかし、地上部あたりのリン量は変異体株の方が大きく、変異体株のバイオマス量が大きいことが予想された。そのため地上部の新鮮重を比較したところBT遺伝子の発現量が高発現するリン酸条件下において、有意差が見られる結果となった。以上から、BT遺伝子をリン応答マーカーとして使用可能なことを確認し、またBT遺伝子はバイオマス量に関わる機能を持つ可能性が示された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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