「幼児が法則性に気付く体験」に繋がるような環境構成を立案できる保育者の養成の研究
Project/Area Number |
17K04901
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Education on school subjects and activities
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Research Institution | Kobe Tokiwa University |
Principal Investigator |
大森 雅人 神戸常盤大学, 教育学部こども教育学科, 教授 (00194308)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2017: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 保育・幼児教育 / 規則性 / 法則性 / 科学概念 / 科学教育 / 幼児期 / 保育者養成 / 領域環境 / 領域自然 / 一般性 / 幼児教育 / 保育 / NGSS / 危険生物 / 思考力の芽生え / 領域「環境」 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「幼児が法則性や一般性に自ら気付く体験」に繋がる環境を構成できる力を持つ保育者を養成するための、教育の在り方の提案を目的としている。令和4年度は、本研究の目的に沿った保育者養成教育の「教育内容」に関連する研究を実施した。 研究対象としたのは、1938年(昭和13年)に東京女子高等師範学校附属幼稚園(現 お茶の水女子大学附属幼稚園)内にあった日本幼稚園協会によって発行された「観察の実際」である。 「観察の実際」に取りあげられた実践事例の中から自然環境との関連が高い事例を抽出した結果、そこで取りあげられた事物・事象は、現在の保育実践で取りあげている事物・事象と重なることが分かった。具体的には、動植物では「おたまじゃくし」「蛙」、「虫」、「つばめ」、「かたつむり」、「とんぼ」、「冬の動物」、「桜」「土筆」、「たんぽぽ」、「チューリップ」、「葉」、「朝顔」、「季節の野菜」、「コスモス」、「稲と米」、「木の実」、「もみじ」、「落葉」、「さまざまな花」などがある。気候に関しても「天気」、「入梅」、「露」、「霧」、「霜」、「冬至」、「寒さ」、「雪」、「気候の変化」などである。これらの小動物や植物、気候に関する事物・事象は、戦前から現在に至るまで教材とされてきたことになる。 また、本書は1926年の幼稚園令において保育事項「観察」が加えられたことを受けて発行されたが、そこには幼児期の子どもと自然環境との関わり方について、保育者が模索したことが書かれていた。子どもと自然環境との関わりに保育者がどのように介入するかは、この時期においてすでに課題と捉えられていたことが分かった。 さらに一部の事例では自然環境に見られる規則性や法則性に関連する記述が見られ、それが実践に取り入れられていたことが分かった。こうした記述をさらに詳細に分析することは、本研究に重要な示唆を与えると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響を受けて、当初の研究計画を変更し、以下の通りの研究計画とした。 ①本研究が目指す力を育成する教育における「教育内容」を明らかにする。 ②保育者養成教育の実践に関して海外文献を中心として分析を進めて「保育者に必要な力」を明らかにする。 ③申請者が取り組んできた研究の成果、昨年度からのオンライン授業の効果等を精査して、「学習者の特性と教育方法」の関係をより詳しく検討する。 ④上記の①から③までの検討結果を総合して「ミニマムスタンダード」を設定する。 ⑤設定した「ミニマムスタンダード」を前提として、教育方法の検討を行う。 ⑥開発した教育方法で実践を行い効果の確認を行う。結果に応じて、追加の研究等も実施して教育方法のさらなる改善を行う。 ⑦すべての結果をまとめて、教育の在り方として提案する。 しかしながら、新型コロナウィルス感染症の流行の影響が少なからず校務に影響を与えており、年間を通じて感染予防対策、学生の援助、オンライン授業対応等に校務時間の多くを費やすこととなり、令和4年度の研究実績は、①の「教育内容」の検討を深めることに費やした。ただ、「教育内容」を導くための基礎資料に関する検討を戦前の資料にまで範囲を拡げたことで、教育内容の検討に関して有用な成果を得ることができたと考えられる。よって、進捗状況としては、「やや遅れている」と自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究方針を、コロナ禍になって以降は次のように変更した。①本研究が目指す力を育成する教育における「教育内容」を明らかにする。 ②保育者養成教育の実践に関して海外文献を中心として分析を進めて「保育者に必要な力」を明らかにする。 ③申請者が取り組んできた研究の成果、昨年度からのオンライン授業の効果等を精査して、「学習者の特性と教育方法」の関係をより詳しく検討する。 ④上記の①から③までの検討結果を総合して「ミニマムスタンダード」を設定する。 ⑤設定した「ミニマムスタンダード」を前提として、教育方法の検討を行う。 ⑥開発した教育方法で実践を行い効果の確認を行う。 ⑦すべての結果をまとめて、教育の在り方として提案する。 しかしながら、令和4年度も新型コロナウィルス感染症の対応等により、十分には研究が進められなかった。令和5年度になり感染症は5類に変更されたので、研究を進められる見通しとなった。ただ、令和5年度は数回の延長を経た後の最後年度となるため、上記の予定通りに研究が進められないことも考えられる。その際は、「教育内容」と「教育方法」に関して得られたここまでの知見に絞り込んだ上で、得られた知見をまとめて成果とすることも想定している。
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Report
(6 results)
Research Products
(12 results)