震災遺構を巡る復興まちづくりの社会学的研究―漁村の論理を軸にしたアプローチ―
Project/Area Number |
18J12564
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂口 奈央 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2) (10838212)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 震災遺構 / 漁村 / 生活経験 / 集合的記憶 / 復興 / シンボル / 漁村の論理 / 大槌町 / 旧役場庁舎 / 観光船はまゆり / 恥 / 鎮魂 / 観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
報告者は、博士論文を中心に以下のことについて研究実績としてまとめた。被災地域の住民にとって震災遺構とは何かを明らかにするため、岩手県大槌町の事例をもとに、震災遺構を次の3つに類型化した。一つは、津波によって偶発的に出現した対象物に対して被災前の生活経験を重ねて意味づけている「記憶のシンボル」、2つ目は、被災の状況をそのままシンボル化した「被災のシンボル」そして、3つ目が被災前から地域に親しまれてきたものの、津波被害にあった自然物による「復興のシンボル」である。住民にとっての震災遺構とは、以上のように整理した3つのシンボル性をもつ意味付与をしていることが明らかになった。
以上のような類型化によって被災地域住民にとっての震災遺構とは、被災した経験とともに、かつての被災前の生活経験の記憶とが複雑に絡み合う対象物であることが明らかになった。こうしたことから住民の視点でとらえた震災遺構と、工学的観点による震災遺構の評価とは、ほぼ真逆であることも伺えた。工学的観点による判断基準によると、建物がもつ津波の痕跡という実態そのものにクローズアップしているが、被災地域の住民は、震災遺構に対して、被災前も含めた生活経験にもとづく視点で、新たな意味を「生成」していて、必ずしも「伝承」や「防災教育」といった社会的価値として意味付与しているわけではない。震災遺構とは、被災した地域住民の視点および意味をとらえ直すことで、これまで不透明だった誰のため、何のための震災遺構なのかについて、明確にして初めて、伝承としての社会的価値をもつ震災遺構となる。
本論文は、災害遺構研究に対する社会学的アプローチを試みることで、1970年代以降の研究の蓄積が少ない漁村社会学への貢献、そして災害遺構を生かした復興まちづくりへの実証的関与による研究である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)