Project/Area Number |
18J14298
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 一樹 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2018: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 中古文学 / 物語文学 / 源氏物語 / うつほ物語 / 女房 / 女官 / 平安時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平安朝物語の女房の特徴について検討をおこなうものである。女房とは、宮中や貴人の邸に出仕する女性たちのことを指す。とくに『源氏物語』中の女房に注目し、歴史的な実態や先行物語の女房の性格との関係を調査することで、作品の虚構性や物語史における達成を明らかにすることを目指している。本年度は主として、朧月夜の出仕と尚侍就任や宮の君の出仕について検討を加えた。 朧月夜の出仕については、出仕したのち近親者の後見役になり得ることから政治的な意義を有するものであると解釈し、紫の上が光源氏との関係において確固たる地位を築く展開が自然な形で導かれていることを論じた。尚侍就任については『うつほ物語』の俊蔭女のあり方と共通性が見出せることから先行物語の発想の型を踏まえたものであると考え、朧月夜の場合は帝と男君の板挟みになる内面がより掘り下げられていることを指摘した。 宮の君の出仕については、先行物語における高貴な女君の出仕との関連を検討した。宮の君の出仕は、高貴な女性の出仕が増加した物語成立期の実態を反映したものであると考えられている。これに対し本研究では、『落窪物語』や『源氏物語』中の過去の場面にも同様の事態がみられることに注目し、既存の物語の発想を踏まえたものであることを指摘した。今後は宮の君の出仕の特徴をさらに検討し、宇治十帖における位置づけについて考察を深める予定である。 本研究の成果を通して、物語に語られる女房の性格は、成立期の歴史的な実態を反映したものと捉えるのでは不十分であることが明らかになりつつある。先行物語の事例を含めた多角的な検討が求められるように思われる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)