環境要因が及ぼす脳内ポリシアル酸変動の発見とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
18J15020
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
阿部 智佳羅 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ポリシアル酸 / 統合失調症 / 精神疾患 / 環境要因 / ストレス / シアリダーゼ / ミクログリア / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリシアル酸(polySia)は単糖であるシアル酸が縮重合したポリマーで、神経細胞接着分子(NCAM)を修飾している。これまでの研究より、統合失調症など精神疾患のリスクを変動させる環境要因の1因子である急性ストレスをマウスに対して負荷すると、脳内領域特異的にpolySiaが変動すること、更に急性ストレスによってpolySiaが減少した嗅球及び前頭前野ではその減少メカニズムが異なることを明らかにしてきた。そこで本年は、急性ストレス以外の環境要因に着目し、ストレス以外の環境要因がマウス脳内polySiaにどのような影響を及ぼすか調べた。 1つ目として、野生に近い環境で飼育する環境エンリッチメント(EE)がうつ病などの精神疾患の症状を改善するという報告から、EEで生育することによるマウス脳内polySia変動について調べた。離乳直後のマウスをEE及び通常の飼育環境下で2ヶ月間飼育したところ、EE下飼育では通常環境飼育と比べてマウスの鬱の程度が軽減し、更にOB及びPFCのpolySiaの長さが増加することが明らかとなった。 2つ目として、様々な食品成分が精神疾患のリスクを変動させる可能性が示唆されていることから、様々な食品成分をマウスに投与することによるマウス脳内polySia変動について調べた。その結果、精神疾患のリスクを軽減する可能性が示唆されているチアミン及びグリシンを自由摂取させたところ、チアミン投与では嗅球のpolySia本数が増加し、グリシンでは嗅球及び海馬のpolySia量の増加が認められた。一方、統合失調症のリスク悪化が示唆されているグルテンをマウスに自由摂取させたところ、嗅球及び前頭前野においてpolySiaの減少傾向が確認された。 以上の結果から、急性ストレス以外の環境要因によっても、マウスの脳内polySiaは領域特異的に変動を受けることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)