病原真菌アスペルギルスの感染症薬暴露による薬剤耐性機構と病原性変化
Project/Area Number |
18K06668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Kagawa Nutrition University (2020-2021) Tokyo University of Pharmacy and Life Science (2018-2019) |
Principal Investigator |
石橋 健一 女子栄養大学, 栄養学部, 准教授 (20453805)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | Aspergillus / 抗ウイルス薬 / β-グルカン / マクロファージ / 薬剤感受性 / 認識タンパク / 病原真菌 / 感染症薬 / 細胞壁構造 / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
易感染状態の患者においては、細菌、ウイルス、真菌との複合的な感染を起こすことがあり、その予防または治療には複数の感染症治療薬が用いられる。この時、他の感染症治療薬にAspergillusが曝露される可能性があり、予期せぬ相互作用が懸念される。本研究では、抗ウイルス薬によるA. fumigatusに対する免疫応答の変化を検討した。 抗ウイルス薬添加培養菌体に対するマクロファージの免疫応答を比較検討した。薬剤非添加菌体及びアシクロビル添加培養菌体でマウス腹腔細胞を刺激し、炎症性サイトカインの産生を比較した.アシクロビル添加培養菌体はTNF-αの炎症性メディエーター産生を亢進させた。 Aspergillus細胞壁は,galactomannan,β-glucan,chitinなどの多糖体を含有している.宿主免疫細胞は,それらに対し,パターン認識受容体を介して免疫応答を引き起こす.抗ウイルス薬添加がAspergillus菌体成分に対する応答に与える影響について検討した。β-glucanに結合性を示すDectin-1は、アシクロビル添加培養Aspergillusに対して高い結合性を示した。一方、α-mannanに結合性を示すDectin-2、N-acetyl-glucosamineに結合性を示すWheat germ agglutinin(WGA)は、アシクロビルの添加量に関わらず同程度の結合性を示した. このことから、A. fumigatusを静注用アシクロビル製剤と共培養することで、菌体表面にDectin-1のリガンドであるβ-glucanの発現が増加した可能性が示唆された。さらに、Dectin-1の認識が高まることにより、マクロファージの炎症反応が亢進したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに臨床で使用されている抗ウイルス薬を使用して検討してきた.今年度において,抗ウイルス薬が免疫担当細胞であるマクロファージのAspergillus応答性を変化させていることが示唆された.それには、それぞれの細胞壁成分を認識するレクチンを用いて検討したところ、細胞壁に存在するβグルカンに対する応答性が変化していることが示唆された。これらの結果はこれまでのβグルカン合成阻害抗真菌薬に対する応答性の違いにもつながることとして考えられた。細胞壁βグルカンへの抗ウイルス薬の影響について、分子メカニズムを明らかにする部分に関しては、まだ結果が示せていないので、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
本現象のメカニズムを明確にするため,薬剤感受性に関わる遺伝子発現およびβグルカン合成に関わる遺伝子の解析を行う.
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Report
(4 results)
Research Products
(1 results)