Project/Area Number |
19K09912
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村上 大輔 九州大学, 大学病院, 講師 (80568965)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 経口免疫療法 / スギ花粉症 / マウスモデル / マンノースレセプター / 経口免疫寛容 |
Outline of Research at the Start |
これまでの臨床研究からスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体を用いたスギ花粉症に対する経口免疫療法は、効果とその安全性から新しい免疫療法となる可能性が示されています。しかしながらなぜ効率的に免疫寛容を誘導できるのか詳しい仕組みはまだわかっていません。そこで人ではなかなか解析が難しいためまずはマウスのモデルを作成し鼻やリンパ節、腸の細胞を詳細に検討し免疫寛容の機序を解析することとしました。この研究で免疫寛容が起こる仕組みを明らかにすることで今まで分かっていなかった、免疫寛容に関与する細胞群、並びに遺伝子群を同定し、最終的には今後の経口免疫療法への応用と創薬に結び付けることを目標にしています。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度はスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体を用いた経口免疫療法のスギ花粉症予防モデルの作成のため、まずOVAを用いる喘息マウスモデルの系を用いて経口免疫療法の予防効果の確認を行った。マウスは6-8週齢メスのBALB/cを用い、0から4日目および7から11日目に、OVA、コントロールとしてPBSを1日1回経胃投与した。14日目と21日目にOVA 10μgとAlum 1mgを腹腔内投与して感作し、最後に28-31日目に25μg OVAを鼻腔内投与して炎症を惹起させた。その後、24時間後に血清を回収し、OVA特異的抗体をELISAで測定、BALF中の各種細胞数、炎症性のサイトカインと肺組織の解析を行った。 血清中のOVA特異的IgEはコントロールと比較し、OVA経口投与群で有意に低下し、またBALF中の総細胞数、好中球数、好酸球数、炎症性のサイトカイン(IL-4、IL-5、IL-13)も同様にコントロールと比較し、OVA経口投与群で有意に低下した。この結果より、感作前にOVAを経口投与することにより、喘息モデルマウスの抗原特異的IgEの低下と気道炎症の惹起が予防されることが明らかとなった。今後、引き続きこの系を応用し、抗原をOVAからスギ抗原またはスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体へ変更し、経口免疫療法の花粉症予防モデルの系を作成し、確立する方針である。さらに前年度引き続いてスギ抗原でのアナフィラキシーショックモデルの確立とスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体を用いてアナフィラキシーショックが抑制されるか確認を行う予定である。またスギ抗原またはスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体を腹腔内に複数回投与することでスギ抗原と比較してスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体投与において抗原特異的 IgEが抑制されるか検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年1月からの新型コロナウイルス感染症の流行のため研究機関を使用できない期間が断続的に続いている。状況は徐々に改善してきているが2022年度も新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いておらず流行を繰り返している状態で長期間の実験プロトコールを組むのが難しい状態であった。 研究は2018年度から2021年度の3年間であったが2023年度まで研究期間の延長を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はスギ抗原での経口免疫療法の花粉症予防モデルの系とアナフィラキシーショックモデルの系の確立を行い、スギ抗原またはスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体を腹腔内することによりその免疫反応性を評価すること、また前々々年度の結果から経口免疫療法マウスモデルにおいてコントロール群と比較して免疫療法群で腸間膜リンパ節でCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の分画の増加は認められなかったため、他の臓器、脾臓や鼻粘膜でのCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の分画の変化とその機能解析を行う予定である
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