単体複体におけるランダムネスと幾何構造のインタラクション
Project/Area Number |
19K21833
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 12:Analysis, applied mathematics, and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日野 正訓 京都大学, 理学研究科, 教授 (40303888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 裕章 京都大学, 高等研究院, 教授 (10432709)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 単体複体 / パーシステントホモロジー / ランダムグラフ / ランダムネス / 幾何構造 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,離散的な対象である単体複体(族)の位相幾何構造と確率論との関わりを研究する.特に,ランダムな単体複体およびその族に対して,その幾何学的構造を明らかにする新たな手法を開発することにより,確率論と幾何学を繋ぐ新理論の創始を目指す.単体複体における確率過程と幾何構造とを関連付け,位相幾何学研究の確率解析的アプローチによる展開を図る.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度、研究代表者の日野は、主にランダム単体複体の増大系(フィルトレーション)の極限の挙動について考察した。研究代表者による以前の研究に関連する最近の研究論文を精査し、技術的なアイディアと研究の方向性について理解を深めた。また、以前の共同研究者とランダムクリークモデルを含むフィルトレーションの族に対して、パーシステントベッチ数の漸近挙動を得る方法について検討を重ねた。従前に得られている結果はパーシステントベッチ数の和の評価のみであるが、これをパーシステントベッチ数の分布の評価にまで精密化することは、フィルトレーションの構造を研究するという見地からみて重要なステップである。現在のところ、ランダムグラフの場合に知られている、重み付きポアソン木の上のスペクトル解析に帰着させる議論が援用できそうだという感触が得られているため、引き続き次年度に検討を続けることにした。また、国際研究集会で行った基調講演を元にしてこのテーマについて執筆したサーベイ論文が論文集(単行本)の1編として出版された。 研究分担者の平岡は、主にマグニチュード・ホモロジーの組合せ論および確率論的研究に着手した。まず与えられたグラフのマグニチュード・ホモロジーが対角型になる条件を離散モース理論を用いて明らかにした。その後、エルデシュ-レンニランダムグラフに対してこの結果を応用することで、対角型に関する相転移現象を数学的に特徴づけることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者においては、コロナ禍のために研究集会や出張予定がほとんど中止になったことで、十分な研究体制をとることが困難だった。また、新型コロナウイルスへの対応に付随する学内業務が著しく増え、研究時間が減少した。 研究分担者においては、コロナ禍の影響は大きかったものの、研究活動に深刻な支障はきたさなかった。 総合的に判断して、研究課題の進捗状況はやや遅れが生じていると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究期間の最終年度であるため、これまでに得られた着想を成果の形にすることを優先する。特に、ランダム単体複体のフィルトレーションの極限のオブジェクトに関してはある程度の見通しが立っているため、優先的に研究を行うこととする。 研究集会への参加や出張については今年度もあまり望めないことが予想されるので、研究打ち合せ等はオンライン上で行うことを基本的に想定する。 研究に必要な書籍やパソコン関連機器を随時購入し、研究動向のキャッチアップに努める。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)