SPOCK-1生体タンパクを応用した安全性に優れた革新的歯周病予防薬の開発
Project/Area Number |
19K22721
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 57:Oral science and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西村 英紀 九州大学, 歯学研究院, 教授 (80208222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
自見 英治郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)
佐野 朋美 九州大学, 歯学研究院, 助教 (50782075)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 歯肉増殖症 / SPOCK-1 / 上皮間葉転換 / 炎症性サイトカイン / 歯周炎 / 歯槽骨吸収 / マクロファージ / 酵素活性 / カテプシン-L / TGF-β / 線維化 / 炎症性組織破壊 / 歯周病 / 薬物性歯肉増殖症 |
Outline of Research at the Start |
歯周炎による組織破壊は感染の結果生体で惹起される炎症によってもたらされる。つまり、予防の観点からは、感染源の制御に加え、宿主の破壊因子の制御が効果的である。spock-1は複数のドメインから構成され、cysteine protease阻害ドメインに加え、複数の酵素を阻害する。申請者らは歯肉増殖症モデルとしてSPOCK-1 transgenic (TG) マウスを樹立した。そこで、逆にspock-1は歯周炎等の炎症性組織破壊に対して抑制的に作用するとの仮説を設けた。本申請では、spock-1TGマウスにおいて実験的歯周炎や硬組織の吸収が抑制され、軟組織の治癒が促進されるか否かを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
SPOCK-1は歯肉上皮で上皮間葉転換を惹起し、歯肉増殖症の発症に関与する事を明らかにし報告した。上皮間葉転換により、歯肉組織の線維化が亢進し、歯肉肥厚が生じると考えられた。また薬物性歯肉増殖症を惹起する薬剤はTGF-β-MMP経路を介して、SPOCK-1の発現亢進をもたらし、結果的に歯肉肥厚の発現に関わることを明らかにした。そこでSPOCK-1遺伝子導入マウス(TGマウス)に歯周炎が合併したモデルを作成するため、絹糸結紮を行いその効果を検討した。TGマウスでは歯肉の肥厚が惹起されているため、仮性ポケットが生じ若干の歯槽骨吸収の促進が観察された。絹糸結紮によりWTマウス、TGマウスともに同程度の歯肉肥厚が観察された。一方、歯槽骨吸収の程度は、TGマウスでより顕著であった。しかしながら、マウス腹腔マクロファージを採取し、細菌内毒素もしくはtoll-like receptorの合成リガンドで刺激した際の、炎症性サイトカイン産生はTGマウスの方が有意に低かった。このことから、SPOCK-1 TGマウスでは、非結紮段階(歯周炎非合併段階)ですでにポケット内の細菌感染により、軽度の骨吸収が惹起されていること、歯周炎の合併により同程度に歯肉の炎症性の肥厚が惹起されること、それに伴い骨吸収がさらに促進されることが明らかとなった。一方で、マクロファージからの炎症性サイトカインの産生はWTマウス由来マクロファージに比べより低かったことから、結紮による炎症性の歯肉肥厚の程度が同程度であった原因であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りin vitroならびにin vivoの検討まで進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
結紮による歯槽骨吸収度合いの定量化を検討するとともに、SPOCK-1ペプチドの骨吸収抑制効果をWTマウス歯周炎結紮モデルで検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)