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高齢化社会における教育・引退選択が経済成長に与える影響に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K23204
Research Category

Grant-in-Aid for Research Activity Start-up

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section 0107:Economics, business administration, and related fields
Research InstitutionNishogakusha University

Principal Investigator

森本 貴陽  二松學舍大學, 国際政治経済学部, 講師 (40851663)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2022-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2020)
Budget Amount *help
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Keywords経済成長 / 研究開発 / 高齢化 / 引退選択 / 教育選択
Outline of Research at the Start

本研究は,研究開発,教育選択,引退選択を組み込んだ世代重複モデルを構築し,個人の教育・引退選択を通じて高齢化が研究開発・経済成長に及ぼす影響を分析する.教育水準の高い労働者を技能労働者,そうでない労働者を単純労働者と呼ぶ.技能労働者の方が,より高い所得を得ているため,より遅く引退する誘因を持つ.高齢者が増加すると,労働市場には引退の遅い技能労働者が多く残ることになる.このとき新たに生まれる世代にとっては,相対的に希少な単純労働者になる誘因が高くなる.この教育選択への影響が経済成長にどのような効果を持つのか,またこのとき,どのような政策が有効なのかを明らかにする.

Outline of Annual Research Achievements

本研究では,個人の教育・引退選択を組み込んだ内生成長モデルを用いて,高齢化が経済に与える影響を分析する.想定する経済は,高齢化に直面する先進国であり,ここでの教育は大学などの第三期教育を指す.教育を受けた個人は技能労働者として生産活動と研究開発(R&D)に従事できる一方,教育を受けなかった個人は単純労働者として生産活動にのみ従事する.このR&Dが,このモデルでの経済成長の主要因となっている.
技能労働者は教育費用を支払う代わりに高い賃金を得ることができる.そのため,技能労働者の引退年齢は,単純労働者に比べて高くなる.すなわち,技能労働者は賃金が高い代わりに労働に従事する時間が長く,単純労働者は賃金が低い代わりに比較的短時間の労働で済むことが分かる.
期待寿命の延伸は,全ての労働者の引退年齢を引き上げる.しかし,その引き上げ幅は単純労働者の方が大きく,技能労働者との引退年齢の差が縮小することが分かった.単純労働者は賃金が低い代わりに,引退後の余暇を長く楽しむことができた.しかし,高齢化により,引退後の長い余暇という魅力が相対的に低下することになる.その結果,技能労働者がより魅力的になり,教育を受ける個人が増加する.引退を伸ばすことにより,単純労働・技能労働共に,労働供給が増加する.技能労働者になる割合が増加し,単純労働者になる割合が減少するため,労働供給の増え幅は技能労働の方が大きくなる.その結果,技能労働者が相対的に増加するため,単純労働者との賃金の差が縮小する.以上から,高齢化により,教育を受ける個人が増加し,技能労働者と単純労働者の差が縮小することが分かった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では,理論モデルを構築し解析的な回を得ること,また数値計算により高齢化が経済に与える影響を分析することを目的としている.理論モデルの構築は完了し,その解析的な分析もほぼ完了している.また数値計算の試行を行い,ひとまずの結果を得ることが出来ている.この結果を研究会や学会等で報告し,そこで得られたコメントを基にモデルの修正や数値計算の精緻化を行う予定であったが,新型コロナウイルスの影響により,研究会や学会の多くが中止になってしまったため,計画に遅れが生じている.また,数値計算のひとまずの結果には,非現実的と思われる箇所があり,改善のために理論モデルの修正を検討している.

Strategy for Future Research Activity

現在のモデルでは,個人は加齢と共に労働が辛くなると仮定しており,ある年齢を超えると労働供給をしなくなる.これにより引退選択をモデル化している.このモデルを基に数値計算を行った場合,技能労働者と単純労働者の引退年齢の差が,現実のそれよりも遥かに大きくなる傾向にある.このことは,現在のモデルでは現実の教育・引退選択を説明しきれないことを意味する.この点を解決するために,引退選択の理由として,加齢による労働の辛さだけでなく,加齢による労働生産性の減少もモデルに組み込むことを検討している.経済理論は現実の抽象であり,必ずしも現実の全てを説明できるものではないため,この修正の成否に関わらず,年度内に結果をまとめ,論文を執筆して,国際雑誌に投稿することを目標とする.

Report

(2 results)
  • 2020 Research-status Report
  • 2019 Research-status Report

URL: 

Published: 2019-09-03   Modified: 2021-12-27  

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