国語科と外国語活動・外国語科の間をつなぐ「ことばの教育」の開発に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
19K23296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
山田 深雪 玉川大学, 教育学部, 准教授 (90846859)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 言語教育の課題 / 言語を扱う教科間の乖離 / 外国語への抵抗感 / 学習者の意思の言語化 / 国語教育 / 外国語教育との連携 / ことばの教育の理念 / 寛容 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、国語科と外国語活動・外国語科の間をつなぐ「ことばの教育(科目『ことばと文化』)」を新たに開発するための理論的基盤を構築することである。 そのために、以下を行う。 ① 文献調査・先行研究の分析に基づき措定した「寛容(tolerance)」概念について、フランスの哲学教育及びオープンダイアローグの対話理論と関連付け、母語と外国語をともに「ことば」として学ぶ価値を明らかにする。 ② 科目『ことばと文化』の理論と実践を構築し、カリキュラムを開発する。 ③ 授業実践及び分析を行い、研究の成果と課題を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国語科と外国語活動・外国語科(以下:外国語科)の言語力育成に対するばらつきがあることを問題と捉え、国語科と外国語科の間をつなぐ「ことばの教育(科目『ことばと文化』)」を開発するための理論的基盤を構築しようとするものである。 2020年度は、当初新型コロナウイルスの収束を待ち、フランスへの海外調査を予定していたが実現することはできなかった。そこで引き続き、研究実施計画の(1)母語と外国語をともに「ことば」として学ぶ価値を明らかにするために、日本の言語教育の課題について、文献調査及び先行研究の分析を行うことを行った。 2020年12月には、論文「教育を学ぶ学生の対話観に関する考察 -オープンダイアローグの理論を援用した対話実践をもとに-」と題し、自身の過去の教育実践の成果と課題について発表した。その結果、「対話のスタンス」の【ポリフォニック】【不確実性に耐える】【「新たな理解」の提供】は、「可干渉性の(coherent)」ある対話の実現を促進することが見えてきた。また、【不確実性に耐える】ためには、話が断片的でまとまっていなくても相手に受け取ってもらえ対話が続いていく【「新たな理解」の提供】という聞き手の反応が重要であることが明らかとなり、オープンダイアローグの理論が教育にも援用可能であることが見えてきた。 また、オープンダイアローグの理論と哲学対話の親和性が見えてきたことから、ハワイ州ハナハウオリ小学校の「P4C(哲学対話)」オンライン研修会に参加した。ハナハウオリ小学校における母語(英語)と外国語(北京語)のカリキュラムや具体的実践についても情報を収集している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フランスの「先立つ哲学教育」及びオープンダイアローグの対話理論をもとに、国語科と外国語活動・外国語科の間をつなぐ「ことばの教育」の基盤となる思想を明らかにする予定であったが、2020年1月から発生した新型コロナウイルスの影響により、フランスでの海外調査を進めることができなくなった。現在はフランスの「先立つ哲学教育」の他に、「P4C(哲学対話)」についても文献調査を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、本研究の実施期間を1年延長しての3年目に入る。 令和3年度も新型コロナウイルスの世界規模の拡大により海外調査が実施できない見込みであるため、海外調査についてはオンラインでの情報収集にあたることと文献調査を並行して行う。また、実践協力校と連絡を取り、2週間以上の隔離を経て学校に入ることができる9月を目処に、実証授業を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)