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制震装置を活用した付加減衰に基づく送電鉄塔の耐震性向上に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K23543
Research Category

Grant-in-Aid for Research Activity Start-up

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section 0303:Civil engineering, social systems engineering, safety engineering, disaster prevention engineering, and related fields
Research InstitutionKagawa National College of Technology

Principal Investigator

松本 将之  香川高等専門学校, 建設環境工学科, 助教 (50847407)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2022-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2020)
Budget Amount *help
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Keywords送電鉄塔 / 地震応答解析 / 耐震性評価 / 付加減衰 / 制震装置 / 減衰性能
Outline of Research at the Start

我が国では,兵庫県南部地震や東北地方太平洋沖地震等,大規模地震による送電鉄塔の被害が多発しており,今後の電力の安定供給のため,鉄塔の耐震性確保は重要課題である.そこで,鉄塔の地震に対する安全性確保,及び耐震性向上を図るため,我が国の現行の電力網において主幹線に位置する鉄塔を対象に,過去の大規模地震に対する耐震性評価,及び耐震性向上のための解析的検討,及び実験的検討を行う.本研究では,鉄塔と地震動の共振現象に対して,制震装置を適用する方法で鉄塔の高減衰化を図り,耐震性向上を検討する.

Outline of Annual Research Achievements

本研究は,過去における送電施設の地震被害により,広域に亘る都市生活に甚大な被害が生じたとの多数の報告を踏まえ,送電鉄塔の耐震性評価,及び耐震性向上の為の諸対策を検討する事を目的としている.検討対象は,我が国で一般的に採用され,基幹線に位置する送電鉄塔を選定する.本鉄塔への減衰付与の観点から高減衰化を図り,鉄塔の地震に対する安全性確保,及び耐震性向上について,解析的,且つ実験的に検討を進める.本研究では,制震装置として振り子式の同調質量ダンパー(TMD: Tuned Mass Damper,以下,TMDと称す)を鉄塔へ適用する事で,鉄塔本体の耐震性向上を図る.
2019年度は,鉄塔の耐震性向上の為に必要なダンパーの減衰性能に関して,解析的検討を進めてきた.その結果,鉄塔が受ける荷重条件や鉄塔の支持に関する境界条件等の相違により,鉄塔の地震時挙動が異なり,必要となるTMDの減衰性能に差異がある事を確認した.また,諸条件に対して最適なTMDの設置条件や性能条件を探索した.一方で,TMDの実基への設置を考慮に入れた実験的検討として,アルミ材を用いた塔状構造物の自由振動実験に向けて,モデル構築や耐震性評価方法等の検討を進めてきた.
2020年度は,主としてダンパーの設置条件や性能条件に着目し,対象鉄塔の耐震性向上に有効な諸条件の解析的探索を継続した.その結果,より制震効果を発揮する設置位置や,質量比,材料非線形等の性能条件が存在する事,一定範囲内の同調比において制震効果を発揮する事を解析的に確認した.また,相似側に基づく鉄塔実基を考慮した塔状構造物に関して,振動実験を実施し,固有振動特性の分析,動的応答特性の把握に関する検討を行っている.今後は,塔状構造物へ振り子式のダンパーを設置し,塔状構造物の耐震性向上対策について,実験的に検討していく予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2019年度は,ダンパーの必要減衰性能の解析的検討として,TMDの質量比や同調比,剛性や材料非線形特性,設置数や設置箇所等の性能条件や設置条件をパラメトリックに変動させることにより,複数ケースの動的応答解析を行い,ダンパーに必要となる減衰性能を評価してきた.また,より制震効果を発揮する諸条件を探索する為,想定される条件下での解析的検討を実施した.検討に際して,地震工学・耐震工学に関する学術専門図書等を比較し,鉄塔の耐震性評価,及び耐震性能向上を解析的に検討する上で必要となる各種数値計算法の比較・検討を行った.その後,数値解析用のコンピュータ,及び汎用構造解析プログラムを有する解析ソフトウェアを用いて,解析的に鉄塔の耐震性評価を行った.更に,TMDによる鉄塔の耐震対策に関して,得られた知見を取りまとめ,所属学会にて成果の発表を行った.
2020年度は,ダンパーに必要となる減衰性能を解析的に検討する事を継続し,ダンパーの試設計と減衰性能評価を行ってきた.計画当初に対して,研究推進の中で,検討を必要とする外力条件の追加や構造条件の追加に伴い,想定されるケースが増加した事による解析ケースの増加により,検討期間が長期化した.また,解析的検討の一方で,塔状構造物の振動実験に向けた構造モデルの構築や計測事項に関する検討を同時並行で進めてきた.
現在は,相似側に基づく鉄塔実基を考慮した塔状構造物の模型の精度向上,及び振動実験による耐震性評価,耐震性向上策の検討を行っている.

Strategy for Future Research Activity

今後の研究方策は,アルミ材を用いた塔状構造物の自由振動実験を通して,模型の精度向上を図る予定である.鉄塔の実挙動を高い再現性で模擬する模型を作製する事により,実基の耐震性向上対策の検討に有効な塔状構造物に対する実験的検討が可能となる.また,性能の異なるダンパーを数ケース試設計し,その材料特性を実験的に確認する.また,試設計に基づいて試験体を製作し,香川高専所有の二次元振動台実験装置にて動的載荷試験を実施し,荷重-変位関係に基づく減衰性能を実験的に把握する.その後,実験結果は,動的解析のモデル化に反映する.検討に当たり,はじめに,先のダンパーに必要とされる減衰性能を実現するような,数ケースのTMDを試設計し,ダンパーを作製する.その後,製作したダンパーの動的載荷試験を実施し,要求する減衰性能と実験結果との比較を行う.また,実験結果を動的解析のモデル化に反映し,耐震性評価と耐震性向上の解析的検討を継続する.更に,TMDによる制震対策の実験的検証に関して,得られた結果を取りまとめ,成果の発表を行う.
また,試設計したダンパーを模型の塔状構造物に装着し,上記実験装置により振動実験を実施する.ダンパーの有無の実験結果より,TMDによる減衰効果と等価な粘性減衰性能等を実験的に評価する予定である.模型の塔状構造物へTMDを設置しない場合(非制震)と,TMDを設置した場合(制震)で振動実験を行い,ダンパーによる制震効果について実験的に検証する.実験結果に基づき,ダンパーによる減衰効果と等価な粘性減衰性能等を評価する.更に,TMDの塔状構造物への適用による実験的検証の結果,及び鉄塔への適用性について,得られた知見や結果を取りまとめ,成果の発表を行う予定である.

Report

(2 results)
  • 2020 Research-status Report
  • 2019 Research-status Report

Research Products

(2 results)

All 2021 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 制震装置の性能条件に着目した送電鉄塔の耐震性向上に関する研究2021

    • Author(s)
      松本 将之
    • Organizer
      令和3年度土木学会四国支部 第27回技術研究発表会
    • Related Report
      2020 Research-status Report
  • [Presentation] 境界条件の異なる送電鉄塔に対する同調質量ダンパーの有効性に関する研究2020

    • Author(s)
      松本 将之
    • Organizer
      令和2年度土木学会四国支部 第26回技術研究発表会
    • Related Report
      2019 Research-status Report

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Published: 2019-09-03   Modified: 2021-12-27  

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