イタリア国家統一および遷都前後における都市周辺部の住居群の変容に関する研究
Project/Area Number |
20K14941
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
會田 涼子 近畿大学, 建築学部, 講師 (40734067)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | イタリア / フィレンツェ / ローマ / 小ヴィラ / 住居 / 都市拡張 / 近代都市改造 / ヴィラ / 区画整理 / 住宅 / 近代 / 都市改造 / 住居地区 |
Outline of Research at the Start |
イタリアの諸都市には古代から近世にかけて形成された建築的な都市構造が現在も広範囲に残存しているが、本研究ではこうしたイタリアにおける既存の都市構造や建築形式が踏襲もしくは淘汰されていったのかを考察するため、イタリア国家統一後の2度の遷都を境として時代区分し、都市拡張に伴って建築形態が大きく変化したヴィラというビルディング・タイプに着目し、都市と住居形態の変化を明らかにしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は昨年度に引き続き文献による分析を行った他、2023年3月上旬にイタリアに渡り現地調査を行った。フィレンツェではモントゥーギの丘周辺のヴィラ群を徒歩で視察した。ヴィラ・スティベルトは内部および庭園を視察、資料を収集した。都市部に近い箇所は道沿いに既存の建物を拡張する形でヴィラとしていることや、広大な農地または庭園を有するもののなかでも、通りに近いところにヴィラを建設している場合と、背後の隣地近くに建設している場合があり、この配置が、ヴィラが点在する風景をつくり出していることがわかった。その配置要因については今後、分析・検討する。また、集合住宅で街区がつくられる都市部の境界と道路の向いに建つヴィラ・ファブリコッティは、新古典主義のファサードと平面形を持ちながら中央に中世風の塔を持ち、都市部からの見え方を考慮すると、高さを出すことに寄与していると考えられるため、様式の選定に地形が大きく影響しているのではないかという仮説を立てることができた。 ローマではアウレリウス市壁の内側で19c後半~20c前半にかけて開発対象となったルドヴィージ地区、サルスティアーノ地区において18cのノッリの地図、19cのカタスト地図と現状を照らし合わせ、小ヴィラの建設過程を分析した。また、ヴィラ・ブオンコンパーニ・ルドヴィージ、ヴィラ・ルディニ(現在在ローマ日本大使館)の内部を見学した。また、古代から存在するオルティ・サルスティアーニの立地などを確認した(現在修復中)。これにより、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア聖堂からピア門までの軸線であるヴェンティ・セッテンブレ通りとブオン・コンパーニ通りの間の区画がゆるい傾斜による谷状の地形になっていることが、街区割の形状に影響している可能性があることがわかり、それが各小ヴィラの向きが同一でないことに繋がっているのではないかという仮説に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの流行により、2020年度、2021年度、2022年度夏季は実質的に現地調査のための渡航・滞在が困難であったため、当初の現地での建築物の視察および写真撮影、資料収集が困難であり、文献調査や派生研究に取り組んでいたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方針は、フィレンツェ周辺においては、カレッジ周辺のヴィラ群について、現地調査を行い、近代以前のヴィラと19世紀のヴィラの関係性と、都市拡張部の端部のありようについて分析したい。 ローマ周辺では、広大な敷地を有する都市周辺部のヴィラであるヴィラ・アーダ、ピニェート公園(旧カジーノ・アル・ピネート・デル・マルケーゼ・サケッティ)や、振興の地区の間に残った箇所にあたるヴィラ・マッツァンティ、ヴィラ・ミアーニなどを対象に現地調査を行い、ローマ特有の微地形が振興の地区に与えた影響について分析していきたい。 上記のために、これまで現地調査を行ったヴィラを含めて、18世紀のノッリの地図(ローマ)、19世紀のファントッツィの地図(フィレンツェ)、19世紀のカタスト地図、20世紀初頭の地図、1950年代以降の地図上に各時代に建設されたヴィラと庭園を年代ごとにプロットし、視覚的にヴィラの建設過程や消失したものなどが分析できる図を作成する。同時にヴィラ単体の平面図の探索と収集、既往文献・地図の収集を引き続き行う。平面図から建蔽率や、建築類型などを精査し、既存のヴィラと19~20世紀に建設されたヴィラの一覧を作成し、規模の変化と建蔽率の変化などを分析する。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)