Developing a method for detecting improper mercury trade flow into countries that have artisanal and small-scale gold mining (ASGM) activities
Project/Area Number |
21K17922
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 64050:Sound material-cycle social systems-related
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
程 英超 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環領域, 特別研究員 (40885836)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 水銀 / 小規模金採掘(ASGM) / 水銀貿易 / 検出法 / 水俣条約 |
Outline of Research at the Start |
水俣条約により、水銀および水銀を使用した製品の製造・輸出入が規制されている。しかし、水銀の主用途、且つ、排出源・放出源である小規模金採掘(ASGM)の規制は明示されていない。不適切・違法な操業の存在が指摘されるASGMを介した水銀流通は不明瞭であり、国際的な水銀の管理を阻害する恐れがある。本課題の目的は、ASGM実施国への不適切な水銀貿易の検出手法の開発と実証分析のデータ整備である。独自に国際貿易データを整備した上で、全球的な水銀フローを解明し、ASGM実施国リストを整備する。そして、ASGM実施国に共通する水銀フロー特性、活動量との関係に注目し、不適切な水銀貿易の検出手法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ASGM実施国を介した不適切な水銀貿易の検出・判定手法を確立することを目的とし、三つの課題に取り組んだ。2021年度の進捗概要を以下に示す。課題1)全球的な水銀フロー:1995年から2018年まで231国・地域における水銀インフロー(採掘、再生量、輸入)とアウトフロー(輸出と見かけ消費量)のマスバランスを算出した。BACIデータベースを用い、約5000の貿易品目から水銀含有可能性のある112品目をそれぞれの水銀含有量を推計した。課題2):研究対象国、すなわち39のASGM実施国をリストに整備し、2010年から2018までASGM用途の水銀使用量を推計した。さらに、水銀管理の視点から水俣条約の批准・加入状況及び国家行動計画(NAP)の提出状況に関する情報を収集した。課題3)不適切な水銀貿易の検出・判定に関しては、課題1)と2)によるデータに基づき、2010年から2018年にかけて、39のASGM実施国においてデータの不整合性から不適切な水銀貿易存在した可能性を検討した。特に、2017年水俣条約発効後の国際貿易におけるデータの不整合性を研究した。地域別では、アフリカと中南米には水銀の見かけ消費量よりも高いASGMでの水銀利用量があり、不適切な水銀貿易があった可能性が高いと見られる。一方、アジアではASGMでの水銀利用量より極めて高い水銀の見かけ消費量が見られたが、その原因は、中国やインドにおける他部門の水銀利用が大きかったと考えられる。アフリカ各国は、水俣条約を批准したほか、NAPをはじめ水銀対策を積極的に取り組んでいる。しかし、不適切な水銀貿易が存在する可能性の高い国として、スーダンとベネズエラは水俣条約に加入されていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小規模金採掘は最も大きな水銀排出源であり、国内外で注目されている。日本国内の研究者との交流を広めたことにより、貴重な情報やアドバイスをもらったため、研究はおおむね順調に進行している。また、国際連携により海外の研究協力者と論文を共著している。現在、1報の査読付き原著論文(英文)を投稿済み(査読中)であることに加え、更にもう1報の投稿準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、不適切な水銀貿易フローが検出された研究対象国・商品などの情報を多媒体の発信を検討する。 1)イベント:国際連携を深めつつ、研究成果を積極的に発信する。特に、水俣条約の有効性評価を念頭に、国内外の研究者を集めて小規模金採掘での水銀利用を中心に、水銀問題の議論の牽引、場の形成; 2)日本語・英語・中国語での成果発信:学会発表(日本国内、国際学会)、雑誌論文の執筆・査読対応; 3)多媒体での発信:動画またはオープンソースのソフトウェアによるデータの視覚化。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)