Project/Area Number |
22K19468
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 50:Oncology and related fields
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
八尾 良司 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞生物部, 部長 (80291095)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 患者由来オルガノイド / 大腸がん |
Outline of Research at the Start |
低分化大腸がんから患者由来オルガノイド(PDOs)を樹立し、それぞれが由来するがん組織の臨床病理情報と免疫不全マウスへの移植組織の組織学的解析に基づき、各PDOsがin vivoで生じるがん種を明らかにする。オミックスプロファイリングを行い、内因性の規定因子の同定を試みるとともに、臨床検体の空間的トランスクリプトーム解析を行い、微小環境との相互作用を明らかにする。取得された情報を統合的に解析し、細胞運命決定プログラムのモデルを作成する。薬理学的摂動実験を行いモデルを検証し、低分化大腸がんにおける細胞多様性の発生・維持機構を明らかにするとともに、治療戦略を探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
大腸がんの多くを占める腺がんに対し、進行が早く予後不良であることが知られている低分化がんは、低分化腺がん、粘液がん、印環細胞がんに分類される。一般的に大腸がんは、APC、TP53、KRASを含むドライバー変異により生じ、さらに変異が蓄積することにより進展することが知られているが、低分化大腸がんについては、十分理解されていない。本研究課題では、低分化大腸がんと診断されたがん組織の手術検体からオルガノイドを樹立し、発生過程の解析を行なった。 20名の低分化大腸がん患者から樹立されたオルガノイドのエクソームシークエンスの結果、41%のオルガノイドにBRAF変異が、15%にKRAS変異が生じており、それぞれは相互排他的であった。またBRAF変異陽性オルガノイドのAPC変異は9%であり、BRAF変異がないオルガノイドの50%に比べて低いことが明らかになった。これらの結果から、低分化大腸がんの一部は、多くの腺がんとは異なる発生過程を持つことが示唆された。 病理組織学的に低分化腺がん、粘液がん、印環細胞がんが混在する組織から樹立されたオルガノイドは、形が異なるオルガノイドが含まれおり、それぞれをクローン化したのちマウスに移植したところ、ヒトがん組織の3つに分類された。クローン化されたオルガノイドの遺伝子変異を解析したところ、多くのドライバー変異は共通に生じているものの、印環細胞がんは、他の二つとは異なる変異を生じていた。また遺伝子発現解析では、低分化腺がんと粘液がんには一定の類似性が観察されるのに対し、印環細胞がんには異なる遺伝子発現プロファイルが認められた。これらの結果から、混在型低分化大腸がんは、同一の起源細胞をもつものの、発生過程の比較的早期に印環細胞とそれ以外に分かれ、それぞれが独立に遺伝子変異を蓄積し、異なる形質を獲得したと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)