| Project/Area Number |
24H00424
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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| Allocation Type | Single-year Grants |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Medium-sized Section 30:Applied physics and engineering and related fields
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| Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 嘉人 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (50533733)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 伸之 学習院大学, 理学部, 准教授 (30750294)
蓑輪 陽介 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (50609691)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2025)
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| Budget Amount *help |
¥47,190,000 (Direct Cost: ¥36,300,000、Indirect Cost: ¥10,890,000)
Fiscal Year 2026: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥32,630,000 (Direct Cost: ¥25,100,000、Indirect Cost: ¥7,530,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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| Keywords | 光圧 / メタサーフェス / 人工ナノ構造 / 光マニピュレーション / 光アクチュエータ / 量子制御 / オプトメカニクス |
| Outline of Research at the Start |
近年、デザインされた人工ナノ構造により光の伝搬を制御する研究が活発に行われ、その応用として超薄型レンズ等の超小型光デバイスの開発競争が激化している。本研究は、ナノ構造に入射した光が「く」の字型に曲がる負の屈折現象に基づく光の運動量・角運動量の変化に初めて着目し、物体の位置や姿勢を制御するナノ構造光圧アクチュエータを創出する。これにより、光学浮上した振動子の量子制御に挑戦する世界に先駆けた学際的研究テーマである。負の屈折現象は自然界に無い光学応答であり、向かってきた光を迂回させる透明マントなど様々な応用が議論されてきたが、本研究が提案する光圧アクチュエータは従来にない新発想の応用展開である。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目的の一つは、ナノ構造に入射した光が「く」の字型に曲がる負の屈折現象に基づく光の運動量・角運動量の変化により、従来難しかった円板状の物体の位置や姿勢を光圧・光トルクによりパッシブ制御するナノ構造光圧アクチュエータを明らかにすることである。本年度の主な実績は、こうした異方性の高いナノ構造に働く光圧光トルクを3次元計測する新しい方法を提案・開発したことである。また、本方法のインパクトを証明するため、従来法では観察できなかった、光の伝搬方向に垂直な回転軸の光トルク(横軸光トルク)がV字ナノ構造に働くことを世界で初めて実証し、光トルクの向きが入射光の角運動量ではなくヘリシティによりスイッチングされることを明らかにした。この新しいオプトメカニカル現象の数理モデルの構築もできており、現在論文投稿中である。これにより、負の屈折現象に基づく新奇な光圧や光トルクを初めて計測評価できるようになると期待される。そこで、このナノ光圧計測法を適応可能な実験条件において機能するナノ構造光圧アクチュエータの設計を行い、直径150nmと180nmで高さが600nmの2つのナノピラーを240nm距離離したペアを850nmの周期で配列した構造が幅広い入射角に対して負の屈折現象を示し、周辺環境の屈折率が均一なナノ構造単体においてこれまでの設計を上回る高い安定性で位置と姿勢をパッシブ制御できることを数理シミュレーションにより明らかにした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の達成目標は、2年目からの真空中での光学浮上実験に向けたナノ構造光圧アクチュエータの設計やその計測評価等の基盤技術の開発であり、当初の計画通り研究を推進することができた。また、今回新しく提案・開発したナノ光圧計測法のインパクトを証明するために行った実験では、従来法では観察が難しかったV字ナノ構造に働く新奇横軸光トルクが入射する円偏光のスピン角運動量ではなく電磁場キラリティにより発生するという興味深い現象を実験的に発見し、その理論モデルの構築に至っており、当初予定しなかった素晴らしい成果も得られている。その他にも、光圧アクチュエータになるシリコンナノ構造の作製プロセスの開発や、特注での真空チャンバーを含めた新しい実験光学系の立ち上げ等、2年目から予定している研究の準備も順調に進んでいる。したがって、現在までの進捗状況は、当初の計画以上の進展があったと判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度に提案・開発したナノ光圧計測法を真空環境で実現する。具体的には、特注の真空チャンバーや真空ポンプとともに、真空対応の対物レンズ、精密ステージ、ステッピングモーター等を新たに導入し、プラットフォームを光捕捉するための光学系を真空チャンバー内で構築する。ナノ構造を中心に配置したプラットフォームは、これまでと同様に電子線ビームリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて基板上に作製する。真空中でプラットフォームを光学浮上(光捕捉)するのに予想される問題点は、作製したプラットフォームと基板との間に働く相互作用力(ファンデルワールス力や静電気力等)である。この相互作用力はプラットフォームに働く光圧より3桁以上大きいため、3つのアプローチによって相互作用力を減少させる。一つ目は、ピエゾアクチュエータを用いて基板を高周波で振動させる方法である。二つ目は、表面ラフネスの大きい基板を用いることでプラットフォームとの相互作用力を減少させる方法である。3つ目は、プラットフォームをコロナ放電等によって帯電させ、RF電場を使って基板から真空中にリリースさせるリニア型パウルトラップ技術である。光よりも十分広い井戸型ポテンシャルにプラットフォームを捕捉・浮遊させることができるので、そのまま光捕捉実験を行うことが可能になる。こうした方法を駆使することで、プラットフォームと基板との相互作用力の問題点に挑戦する。真空中で光捕捉したプラットフォームに作製したナノ構造アクチュエータが生み出す復元光圧や復元光トルクの線形性やバネ定数について評価する。
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