研究領域 | ⼼脳限界のメカニズム解明とその突破 |
研究課題/領域番号 |
20H05715
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
柴田 和久 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (20505979)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
41,210千円 (直接経費: 31,700千円、間接経費: 9,510千円)
2022年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2021年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2020年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
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キーワード | 限界突破 / 脳 / 潜在過程 / 知覚 / 運動 / 学習 / 脳活動計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本計画班は、健常者の限界を規定する脳メカニズムの解明と限界突破法の開発を推進する。卓越者や病態を抱える患者と比べ、脳構造や身体能力に極端な個人差がない健常者では、心理的要素が能力限界の主な要因となる。本班は、意識的な制御が難しい潜在的な認知過程が心脳限界を左右するという仮説をもとに、代表の柴田の経験と技術を活かした研究開発を行 う。行動実験により限界を定量化し、脳活動測定をもとに限界に関わる脳部位を同定する。同定された脳部位に対し、リアルタイム脳情報解読フィードバックを適用することで、限界を突破するための技術を新たに開発する。
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研究成果の概要 |
本研究は、人間の発揮できる能力の限界が脳の潜在過程によって制御されているという仮説を検証し、その限界を突破するための手法の創出を目的に行った。この目的のため、行動実験パラダイムのデザイン、脳イメージング実験、脳刺激実験を実施した。研究期間中は、コロナ禍による世界的な研究活動の制限や入国制限により外国人研究員の入国が1年半以上も遅れる等の問題に見舞われた。しかしこれまでに、皮膚電気刺激による反応時間の向上や、気を逸らすことで持続的な握力の発揮を促進するなど、テクノロジーや心理学的知見を利用した複数の限界突破法が見出され、一定の研究成果が得られている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
火事場の馬鹿力はなぜ起こるのだろうか?危険時に一瞬で筋肉が強くなることはない。また平常時はいくら頑張っても出せない力が出せるのだから、火事場の馬鹿力は脳の情報処理、特に潜在過程によって制御されていると考えることができる。この制御を騙す方法の発見、この制御に関わる脳部位の解明や、その脳部位を操作する技術の開発は、学術的に価値が高いだけでなく、新しい訓練法等の創出にも繋がる。また慢性疲労症候群に代表されるように、潜在過程が制御する限界が極端に低くなってしまった患者の状態を改善させるための、新たな医療技術のシーズになる可能性もある。
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