研究領域 | 高分子材料と高分子鎖の精密分解科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05735
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
沼田 圭司 京都大学, 工学研究科, 教授 (40584529)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
37,050千円 (直接経費: 28,500千円、間接経費: 8,550千円)
2022年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2020年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | 生分解性高分子 / オリゴマー / 細胞毒性 / 環境毒性 / 高分子精密分解 / 生分解性ポリエステル / 高分子の生分解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、物理劣化・崩壊、化学分解、および生分解により生じる、主としてメソスケールおよびそれ以下の分解産物の形態、組成、および構造を解析し、自然環境中の生物や生体などに与える生物的影響を明らかにする。分解産物の評価は、形態観察、結晶性および構造評価、構造解析、質量分析や分子量および分子量分布評価を行う。さらに、分解物が自然環境へ与える影響を評価する観点から、分解物の毒性試験をモデル動物への生育阻害(急性毒性)や繁殖への影響(長期毒性)として評価する。高分子材料の分解産物が分子として、どのように自然環境に還元されるか学術的に明確な回答を示す。
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研究成果の概要 |
生分解性高分子の特性は十分に評価されてきたが、その分解生成物の影響は、十分に評価されているとは言い難い。 ここでは、ポリカプロラクトン (PCL)、および重合度の異なる合成オリゴカプロラクトン (OCL) の生化学的な細胞毒性を総合的に評価した。モデル生物として、Daphnia magna、Ectocarpus siliculosus、およびラット副腎褐色細胞腫 (PC12) 細胞から分化したニューロンを選択して、さまざまな環境での OCL の広範な影響を評価した。これらの結果は、生分解性ポリエステルから生じる分解生成物の影響をさらに理解する必要があることを明示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生分解性高分子は環境循環型の素材であり、環境中に蓄積しないことから持続可能な社会への利用が注目されている。 生分解性高分子の特性は十分に評価されてきたが、その分解生成物の影響は、十分に評価されているとは言い難い。 本研究の結果は、生分解性ポリエステルからの分解生成物が異常に高濃度の環境では、さまざまな生物に影響を示す可能性があることを示しており、真に環境に優しい材料を開発するには、オリゴマーの毒性と環境への影響に関する斬新で厳格な評価が必要である。また、これらの結果は、生分解性ポリエステルから生じる分解生成物の影響をさらに理解する必要があることを明示している。
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