研究領域 | 重水素学:重水素が示す特性の理解と活用 |
研究課題/領域番号 |
20H05740
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中 寛史 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (70431517)
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研究分担者 |
金尾 英佑 京都大学, 薬学研究科, 助教 (40895166)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
49,660千円 (直接経費: 38,200千円、間接経費: 11,460千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 27,300千円 (直接経費: 21,000千円、間接経費: 6,300千円)
2020年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
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キーワード | 重水素 / 重水素化 / 医薬分子 / 分子触媒 / 重水素学 / 重水素化触媒 / 重水素化医薬品 / 重医薬品 / 有機分子触媒 / 不斉アルキル化 / 速度論同位体効果 / アンモニウム塩 / 頑健性 / 有機重水素化学 / 有機合成化学 / アルコール / イリジウム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,化学合成によって位置選択的に重水素化された分子を合成し,スペクトル測定によりその機能を明らかにします.より具体的には,医薬分子に含まれる特定のメチル基のみを重水素化した化合物群を合成し,その安定性および代謝に対する安定性をスペクトル測定により解明します.さらに,重水素化された分子触媒も合成し,その触媒活性と耐久性に対する重水素化の影響を明らかにします.医薬分子と分子触媒の機能を向上させるための分子設計指針を提案します.
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研究成果の概要 |
重水素化物質への関心が高まる中、その機能解明は重水素研究において急務である。本研究では、化学合成によって位置選択的に重水素化された分子を合成し、その機能を評価した。まずイリジウム触媒を用いたアルコールα位の重水素化法を開発した。続いて本反応で合成した重水素化医薬分子の代謝実験により、医薬品に含まれるアルコールα位の重水素化が代謝安定性の向上に有効であることを明らかにした。また不斉アルキル化触媒として知られる簡素化丸岡触媒の重水素化体を合成し、その反応性を評価することで、分子触媒の重水素化により触媒の安定性と耐久性が向上することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重水素化物質の合成法開発、理論構築、機能開拓、代謝研究への利用からなる「重水素学」の構築は、重水素が関わる科学分野の発展に絶大な影響を与える。その中でも機能開拓は、今後の重水素化物質の合成指針を決める重要な役割を担う。本研究では、医薬分子や分子触媒の位置選択的な重水素化が、その機能向上につながることを明らかにした。これは重水素化物質の有用性を示す重要な研究結果であり、今後の医薬・物理・化学・生命科学の進歩に対する貢献が期待できる。
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