研究領域 | 仮想人体構築学チップ上に再現した臓器からみる全身代謝の分子ネットワーク |
研究課題/領域番号 |
20H05745
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 康行 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00235128)
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研究分担者 |
杉浦 慎治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 副連携研究室長 (10399496)
荒川 大 金沢大学, 薬学系, 准教授 (40709028)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
49,270千円 (直接経費: 37,900千円、間接経費: 11,370千円)
2022年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2021年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2020年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
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キーワード | マイクロフィジオロジカルシステム / 小腸 / 肝臓 / 腎臓 / 臓器間相互作用 / 三次元培養 / 数理モデル化 / 臓器チップ / 灌流共培養 / 相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
理工学からの人体理解の発展のために,本研究計画では,A02班で開発される各種の先進的な単臓器モデル(Organ-on-a-chip) をモジュール化し,自由に組み合わせて再構築できる複数臓器モデル(OrganS-on-a-chip) を開発する.再構築した系の薬物応答性を対象に,臓器間クロストークに基づく非線形的な挙動を観察し,人体と比較検証する.さらに,A01班の協力も得て多階層の分子を網羅的に解析,動的相互作用の制御因子の特定とメカニズム同定を行い,A01班の数理モデル化に資する.
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研究成果の概要 |
本計画研究では,汎用性の高い複数臓器チップを開発し,臓器間相互作用を生体外で観測,メカニズムを解明し,本領域が目指す「仮想生体」の構築に貢献することを目的とした.臓器チップを用いた腸管と肝の共培養で観測された薬物代謝活性亢進のメカニズム一端を明らかとした.またヒト薬物動態プロファイル再現のための肝組織の高密度・高機能化を行った.さらに,動物にて,肝での胆汁うっ滞時における腎臓への薬物蓄積には,腎臓における薬物排出トランスポーターの発現低下が関わることを見出し,培養系での再現も一部達成した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
複数臓器を灌流培養するチップを用いて臓器間相互作用を報告した例は,世界的にも未だ少ない.腸管と肝の薬物代謝は初回通過効果として一括りにされることが多いが,臓器チップを用いて個別臓器の寄与と両者の相互作用をも定量化できることが利点である.さらに,本研究で観測された共培養時の薬物代謝酵素の亢進について,メカニズムの一端を明らかにできたことは,今後の培養系を基礎としたヒト影響予測にとって高い価値のあるものである.
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