研究領域 | 冬眠生物学~哺乳類の低代謝・低体温による生存戦略 |
研究課題/領域番号 |
20H05766
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山口 良文 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10447443)
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研究分担者 |
渡邊 正知 福山大学, 薬学部, 准教授 (30306203)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
39,780千円 (直接経費: 30,600千円、間接経費: 9,180千円)
2022年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2021年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2020年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
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キーワード | 冬眠 / 哺乳類 / 生理学 / 体温調節 / 哺乳類の冬眠 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の冬眠・休眠は、寒冷下で体熱産生を抑制した能動的低代謝状態で乗り切る生存戦略である。季節性に生じる冬眠では、長時間の低体温・不動状態の「深冬眠」とそこから自発的に復温する「中途覚醒」を幾度も繰り返す。しかし、その意義と制御機構は全く不明である。我々は小型冬眠動物シリアンハムスター(ハム)の深冬眠の際に大幅に発現変動する遺伝子群(DEGs)を、網羅的遺伝子発現解析から同定した。本研究では、我々が作成したDEG1欠損ハム及びDEG1欠損マウスを用いた代謝生理学的解析、分子生物学・生化学的解析等により冬眠・休眠制御におけるDEG1の機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
哺乳類の冬眠・休眠は、寒冷下で積極的に体熱産生を抑制し極端な低代謝・低体温状態で乗り切る生存戦略である。この極端な低代謝・低体温状態を「休眠(Torpor)」と呼ぶ。季節性に生じる冬眠では、長時間の低体温・不動状態の「深冬眠」とそこから自発的に復温する「中途覚醒」を幾度も繰り返す。しかし、その意義と制御機構は全く不明であった。本研究では、シリアンハムスターの深冬眠時に全身複数臓器でmRNA量が多くみられたDEG1遺伝子が冬眠の発動に重要な機能を担うことを変異体の作出により個体レベルで明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、冬眠する哺乳類において冬眠発動に関わる遺伝子を遺伝学的手法で同定した初の事例として大きな学術的意義がある。更なる研究により、その制御機構が明らかになると期待される。また冬眠に関与する遺伝子の同定は、自然界の動物がいかにして厳しい冬季を生き抜くのかについての洞察を与え我々人間の視野を拡げる点だけでなく、将来的なヒトへの医療応用、たとえば臓器移植・救急医療・低体温療法などへの波及効果も期待される点で、社会的意義もあると言える。
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