研究領域 | pH応答生物学の創成 |
研究課題/領域番号 |
20H05789
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
船戸 洋佑 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (60505775)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
32,370千円 (直接経費: 24,900千円、間接経費: 7,470千円)
2022年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2021年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2020年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | 酸性適応 / lysosomal exocytosis / pH応答生物学 / リソソーム / PRL |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞を取り巻く微小環境は酸性化しているが、なぜ通常細胞にとって害悪な酸性環境下でがん細胞が増殖し続けられるか、よくわかっていない。申請者はがん細胞の酸性適応機構の一端としてリソソーム内のプロトンが細胞外に放出されるlysosomal exocytosisの重要性を見つけており、本研究でこの現象の酸性環境適応におけるがん種、生物種を超えた普遍的な役割を示すことを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では申請者ががん細胞の酸性適応機構の一端を担っていると明らかにしたlysosomal exocytosisの分子機構と、その酸性適応における普遍的な重要性を明らかにすることを目的と定めている。2021年度は前年度に実施した標的既知化合物ライブラリーを用いたケミカルスクリーニングの結果を踏まえ、複数の化合物で共通していた標的分子、経路についての検証を行った。スクリーニングではPRL発現細胞がlysosomal exocytosisを起こし環境pH応答性が変化した結果、弱アルカリ環境で脆弱となることを利用しこのコンデイションでの細胞死を指標としていたが、検証では各pHでの生育を調べることで環境pH応答性変化に対する影響を調べ、またlysosomal exocytosisについてもリソソーム中の酵素の放出量やリソソーム膜のマーカー分子であるLAMPの細胞表面への移行割合を調べることで評価した。その結果、いずれも当該分子・経路の阻害剤投与だけでなく、ノックダウンやノックアウトによっても明確に抑制されることを確認した。さらに、リガンド刺激や恒常的活性化型変異体の安定発現株を用いた当該経路の活性化による影響についても、上述の方法で同様に検証したところ、環境pH応答性変化やlysosomal exocytosisが惹起されることを明らかにしている。同経路は多くのがん組織で活性化していることが知られており、本年度得られた結果は本研究で目的としているより広範な酸性環境適応機構の解明につながると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおりより広範ながん種での酸性環境適応機構を明らかにしつつあり、順調に研究が進展していると位置づけられる。
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今後の研究の推進方策 |
さらに当該経路の酸性環境適応における重要性や実際のがんにおける活性化機構などを明らかにすることで、本研究の目的であるlysosomal exocytosisの普遍的重要性の解明につなげてゆく予定である。
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