研究領域 | 遅延制御超分子化学 |
研究課題/領域番号 |
21H05095
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
奥村 正樹 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (50635810)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
40,950千円 (直接経費: 31,500千円、間接経費: 9,450千円)
2023年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
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キーワード | 反応遅延制御 / LLPS / 酸化的フォールディング / 活性亢進剤 / フォールディング / potein assembly / レドックス反応場 / 小胞体 / protein assembly |
研究開始時の研究の概要 |
蛋白質の四次構造形成は、生体における非対称分子集合化反応である。この形成プロセス反応は、生物学において未解明である。試験管内、ポリペプチド鎖とシャペロンなど補助因子間での反応では、四次構造形成効率は大幅に低下する。つまりこの過程は、従来の概念では理解することができず、その解明には反応の概念を変革する必要がある。四次構造形成の起点は、複数種のポリペプチド鎖の局所濃縮である。本研究代表者は、小胞体内に形成される新たな反応場が基質を選択的に濃縮することを発見した。本研究における四次構造形成過程の詳細な機序解明は、人工環境での四次構造形成を可能にする人工遅延反応場構築の道を切り拓く
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研究成果の概要 |
領域内の生化学、構造生物学、細胞生物学、計算科学、有機合成化学の学際融合共同研究によって、新たな細胞内化学的触媒反応場を発見し、その機能の理解として、フォールディング触媒のための遅延制御であることを突き止めた。さらに、酵素の活性亢進を制御出来る酸化還元化合物の開発にも成功し、今後反応遅延制御の反応場の化学制御が可能になると期待できる。以上、従来の酵素反応の「酵素-基質1対1反応」の概念を「酵素反応場-基質の“多分子-対-多分子”反応」へと変革した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題ではオルガネラ内での液滴形成と、その内部での酵素反応遅延の発見に至った。遅延反応場としての液滴の新たな生命機能を示す革新的な研究と位置づけられ、シグナル伝達に限らず、様々な細胞内化学反応を制御するメゾスケール反応場として、液滴の概念を飛躍的に拡張する可能性を秘める。その学術的意義は遅延反応場としての液滴が「酵素-基質1対1反応」という従来酵素反応の常識を変革する、新たな「酵素反応場-基質の“多分子-対多分子”反応」と明示される上位概念を創出することが期待できる。本酵素が神経変性疾患やⅡ型糖尿病と関わることが指摘されていることから、新たな治療戦略に繋がる可能性があり、その社会的意義は高い。
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