研究領域 | 炎症性組織レジリエンスと組織障害エントロピーの統合的理解と炎症収束学の創成 |
研究課題/領域番号 |
21H05122
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 一般社団法人AIM医学研究所 (2023) 東京大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
新井 郷子 一般社団法人AIM医学研究所, 研究部門, 副所長 (60422276)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
40,950千円 (直接経費: 31,500千円、間接経費: 9,450千円)
2023年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2022年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2021年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
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キーワード | 食細胞機構 / 修復的マクロファージ / AIM / 炎症性組織レジリエンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、組織傷害や感染に起因する炎症において、回復期に現れる修復的マクロファージと、それが発現する、死細胞やDAMPsの除去促進機能をもつ分泌型タンパク質AIMに注目することで、多臓器共通的な炎症性組織レジリエンスにおける修復的マクロファージの関与を明らかにする。そのために、脳、腎臓、肺、肝臓、腸等の多様な臓器における炎症性疾患を解析し、修復的マクロファージの存在の検証や、炎症抑制の分子メカニズムの解明を介して、臓器共通の炎症性組織レジリエンス機構の統合的理解を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、組織損傷を起因とした炎症の回復期に出現する修復的マクロファージの役割に注目し、その役割を明らかにすることで、炎症性組織レジリエンスにおける臓器横断的分子メカニズムの解明を目指した。特に修復的マクロファージが発現すると考えられるスカベンジングタンパク質AIM(遺伝子名CD5L)に着目し、脳梗塞、高眼圧症、自己免疫性関節リウマチ、腎障害等、様々な疾患におけるAIMとマクロファージの修復的役割について、損傷組織で発生するダメージ関連分子パターン(DAMPs)の貪食除去による組織の炎症収束の観点から解析を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症は外来病原体に対する生体防御システムとして、また非感染性炎症においては損傷組織の修復プロセスに重要なイベントであるが、その過程で炎症組織において起こる細胞死やそれにより放出されるDAMPsは炎症を遷延させ、組織修復を妨げると共に線維化の誘導にもつながることで、組織機能の損失を招く。従って、これらの死細胞由来炎症性物質の速やかな除去は疾患治癒の過程において重要である。この重要な役割を担う細胞である修復的マクロファージと分泌タンパク質AIMについて解析し、多様な組織に共通の炎症収束・組織修復メカニズムを明らかにすることは、炎症性疾患の制御の理解を深め、治療応用の基盤となる知見を与える。
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