研究領域 | プレッシオ脳神経科学の創生:閉鎖空間における圧縮刺激を介した脳機能の発現原理 |
研究課題/領域番号 |
21H05126
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 近畿大学 (2022-2023) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
中澤 直高 近畿大学, 理工学部, 講師 (90800780)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
32,760千円 (直接経費: 25,200千円、間接経費: 7,560千円)
2023年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | 神経発生 / メカノバイオロジー / メカノレスポンス / 神経細胞移動 / 脳脊髄液 / 脳脊髄圧 / 神経幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脳の形成過程で宿命的に発生する圧刺激が、神経細胞のもととなる神経幹細胞の正常な分裂・分化にどのように影響するのか、を細胞・組織の観察と微小な伸展デバイスの利用を組み合わせて明らかにする。これによって、領域目標である「脳内の圧刺激による脳機能の基盤形成原理の解明」の達成に神経発生の観点から貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究では、脳発生に関わる1) 新生ニューロンの遊走、2)神経芽細胞や神経幹細胞の増殖・分化、に着目した。従来の生化学的・細胞生物学的手法や遺伝学的手法にマイクロデバイス流路を用いたイメージング手法を組み合わせることで、1) 脳組織内を遊走するニューロンが細胞外環境からの圧刺激を検知することで外環境に応じた力学機構を発動させ、狭小な空間を通過する分子機構、2) 細胞外環境からの圧刺激を受けた神経芽細胞およびその細胞核ではいくつかの遺伝子群の発現が変動すること、を明らかにした。さらに、脳組織に圧刺激を付加する新規の実験系を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳はからだ全体を調節する役割を担っていることから、脳の形態形成・機能発現の仕組みを理解することは、我々の健康をどのように維持していくのか?という問いに対する答えの礎となる。本研究の実施により、圧刺激を検知するメカノセンサー分子によって脳発生過程のニューロン遊走が調節されることや分化能をもつ神経芽細胞への圧刺激によって遺伝子発現が調節されることが明らかとなった。これらは、神経科学における積年の謎の一端を明らかにしただけでなく、脳内の圧刺激の検知機構が脳機能に影響を与えるという新たな着眼点を含んでいることから、本研究の研究成果は脳病態の理解や新たな医療技術開発に大きな波及効果があると考えられる。
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