研究領域 | ポストリソソーム生物学:分解の場から始まる高次生命現象の理解 |
研究課題/領域番号 |
21H05147
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤田 尚信 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00506496)
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研究分担者 |
吉川 治孝 徳島大学, 先端酵素学研究所, 助教 (60709567)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
33,150千円 (直接経費: 25,500千円、間接経費: 7,650千円)
2023年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2022年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 体液 / プロテオミクス / メタボロミクス / リソソーム / ショウジョウバエ / オートファジー / 寿命 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内の分解の場であるリソソームが生存・寿命を制御するシグナルを発信するという新しいコンセプトが生まれつつある。しかしながら、どの臓器からどのようなポストリソソームシグナルが発信されているのか、その実体は明らかにされていない。本研究では、開放血管系を持つショウジョウバエの利点を生かした体液の比較マルチオミクス解析により、寿命延長につながる体液中のポストリソソームメディエーターの網羅的な同定を目指す。本研究は、体液を介した臓器間相互作用という新たな視点から、生存・寿命を制御するポストリソソーム経路の解明に取り組むものであり、『ポストリソソーム生物学』創成の基盤となる技術とデータを提供する。
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研究実績の概要 |
細胞内の分解の場であるリソソームが生存・寿命を制御するシグナルを発信するという新しいコンセプトが生まれつつある。しかしながら、どの臓器からどのようなポストリソソームシグナルが発信されているのか、その実体は明らかにされていない。本研究では、ポストリソソームシグナルの起点となる臓器を同定すると共に、開放血管系を持つショウジョウバエの利点を生かした体液の比較マルチオミクス解析により、寿命延長につながる体液中のポストリソソームメディエーターの網羅的な同定を目指している。 体液中のポストリソソームメディエーターを同定するため、野生型、オートファジー不全系統、またリソソーム機能が低下した変異体より体液を回収し、体液の比較プロテオミクスおよびメタボロミクスを実施し、オートファジー・リソソーム機能の低下により存在量が有意に変動する一群のタンパク質とメタボライトを同定した。また、寿命延長につながるポストリソソームシグナルの起点となる臓器を探索した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
野生型とオートファジー不全系統のショウジョウバエ幼虫より体液を回収し、体液の比較プロテオミクスおよびメタボロミクスを実施し、オートファジー・リソソーム機能の低下により存在量が有意に変動する一群のタンパク質とメタボライトを同定することに成功した。また、寿命延長につながるポストリソソームシグナルの起点となる臓器の同定するための新たな解析システムを確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
体液中の存在量が有意に変動するタンパク質とメタボライトがどの臓器のオートファジー・リソソーム機能の低下起因するのか明らかにする。具体的には、各臓器の比較メタボロミクスを実施するとともに、臓器特異的にオートファジー・リソソーム系の遺伝子をノックダウンし、体液の比較マルチオミクスを実施する。また、幼虫期だけでなく、成虫期の個体の体液の解析にも取り組む。
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