研究領域 | あいまい環境に対峙する脳・生命体の情報獲得戦略の解明 |
研究課題/領域番号 |
21H05170
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
本田 直樹 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (30515581)
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研究分担者 |
山田 恭史 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 助教 (80802561)
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研究期間 (年度) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
38,220千円 (直接経費: 29,400千円、間接経費: 8,820千円)
2023年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2022年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 葛藤 / 自由エネルギー原理 / 好奇心 / 報酬 / 機械学習 / 数理モデリング / 楽観悲観 / データ駆動生物学 / 数理モデル / 心の葛藤 / 意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
変化する複雑な環境において、脳は限られた時間・計算資源のもと認識・意思決定を行っている。そのため、完全な最適性・合理性を達成することが困難となり、心の葛藤や迷いが生じる。本研究では、心の葛藤を伴う認識・意思決定を表現する新しい自由エネルギー原理の理論を構築する。その理論を基礎に、動物の行動時系列データから心の葛藤を解読する機械学習法を開発する。そして、解読された心の葛藤と神経活動を統合して解析することで、これまで実験的にも理論的にも扱うことが困難であった動物が本来持つ心の揺れを制御する神経メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
人間や動物は報酬を合理的に獲得するだけでなく、好奇心によって環境を探索することもある。しかし、このような好奇心に基づく非合理的な行動原理は良くわかっていない。本研究では、自由エネルギー原理に基づき、好奇心の程度に応じた非合理的な行動を記述する新しいモデルを提案した。このモデルに基づき、行動データから認識のあいまいさや好奇心の時間的変化を解読する機械学習法を提案した。これを実際のラットの行動データに適用したところ、ラットはより確実な選択肢に固執する保守的な選択を反映して負の好奇心を持つこと、認識のあいまいさによって好奇心のレベルが上昇することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、行動データから認識のあいまいさや報酬と好奇心との葛藤を定量的に解読する機械学習法を開発した。本手法により、これまで定量的に評価することができなかった心の揺れやあいまいな認知を数値化することが可能となるため、神経活動データと統合することで、どの脳部位がどういった神経活動パターンを示すとき心の葛藤が解消されるのかなどを研究することが可能となる。また、精神疾患や認知症における意思決定の歪みを定量的に評価することか可能となるため、将来的な医学応用も期待される。
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