研究課題/領域番号 |
01480283
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | (財)東京都精神医学総合研究所 |
研究代表者 |
小阪 憲司 (小坂 憲司) 東京都精神医学総合研究所, 神経病理, 副参事研究員 (60023800)
|
研究分担者 |
鈴木 康夫 静岡県立大学薬学部, 生化学, 教授 (00046278)
西中 哲也 東京都精神医学総合研究所, 神経病理, 研究生
岩本 典彦 東京都精神医学総合研究所, 神経病理, 研究生 (60211067)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | アルツハイマ-型痴呆 / ガングリオシド / 剖検脳 / 免疫組織化学 / 神経病理 / 生化学 |
研究概要 |
臨床・病理学的にアルツハイマ-型痴呆(ATD)と診断された5例(死亡時年齢45〜89歳、死後時間1〜14時間)と精神神経学的・神経病理学的に問題のない対照群3例(死亡時年齢61〜72歳、死亡時間1〜10時間)を対象として(いづれも昨年度に対象とした症例とは異なる症例)、剖検時に-70℃に凍結保存された脳半球の前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉の各皮質・白質からpunch outした組織について、薄層クロマトグラフィ-使用して、総ガングリオシド、GMCC1DD,GDCC1aDD、GDCC1bDD、GTCC1bDDを測定した。その結果、総ガングリオシドおよび各ガングリオシドの濃度は大脳皮質では大脳白質より高く、脳葉のなかでは頭頂葉で最も高く、後頭葉でも最も低い傾向がみられた。また、皮質・白質ともGMCC1DDが最も多く、GDCC1bDD、さらにGDCC1aDDが続き、GTCC1bDDが最も少ない傾向がみられた。総ガングリオシド濃度はATD群では頭頂葉皮質でのみ有意差がみられた。GMCC1DDも後頭葉白質を除きATD群では減少傾向を示したが、いずれの部位でも統計学的に有意差はみられなかった。しかし、初老期のATD群のみについてみると、頭頂・後頭葉白質以上のすべての部位で明らかな減少がみられた。GDCC1aDDは頭頂葉皮質でのみATD群で有意な減少をみた。GDCC1bDD・GTCC1bDDはATD群の頭頂葉皮質のみで有意な減少をみる以外には大した変化はなかった。これらのガングリオシド変化と神経病理学的変化との関係については現在なお検討中であるが、現時点では両者の間には直接的な関係がないように思える。一方、免疫組織化学的研究としては、昨年度に抗GMCC1DD抗体が腫大アストログリアをラベルし、とくに老人斑内でラベルされたアストログリアの突起の腫大が目立つことを示したが、今年度は抗GDCC1aDD抗体による研究を行ない、それが老人斑内のNFTを含まない変性神経突起をラベルすることが示された。
|