研究課題/領域番号 |
01570481
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
橋本 秀和 名古屋大学, 医学部, 助手 (50172870)
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研究分担者 |
淡路 喜史 名古屋大学, 医学部, 医員
奥村 健二 名古屋大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | クレアチン・キナ-ゼ / 乳酸脱水素酵素 / アスパラギン酸アミノトランスフェラ-ゼ / アイソザイム変換 / 糖尿病 / 心不全 / 心筋症 / アンギオテンシン変換酵素阻害薬 / モノクロタリン / 心筋梗塞 / カルシウム拮抗薬 / 心筋再潅流 / イソプロテレノ-ル / Bio14.6ハムスタ- |
研究概要 |
(1)イソプロテレノ-ル投与、Bio14.6、および心不全動物では、心筋総CK(creatine kinase)活性の低下とともに、共通したCKとLD(lactate dehydrogenase)のアイソザイム変換、すなわち、CK MM、ミトコンドリアCK(Bio14.6は除く)、LD_1の活性低下、およびCKーB、LDーMサブユニット(活性または%)の増加が確認され、これらは心筋障害または不全の程度に比例して認められた。(a)CK MMとミトコンドリアCKの活性低下は、クレアチン・シャトルの抑制を示すが、これが心筋障害または不全の原因か結果(代償機序)かは、明らかでない。一方、CKーBはCKーMよりクレアチンリン酸への親和性が強く、LDーMはLDーHより嫌気的代謝に有利であることから、これらの増加は負荷や虚血に対する対償機序と考えられる。(b)アンギオテンシン変換酵素阻害薬エナラプリルを肺高血圧ラットに投与したところ、右室圧は低下しないのに心不全の諸指標や死亡率が改善すると同時に、上述した心筋アイソザイム変換も抑制された(preliminary data)。 (2)糖尿病心では、総CK、CK MM、ミトコンドリアCK活性の抑制という点では(1)に述べた動物群と同じであったが、逆に、LD_1活性は増加し、CKーBとLDーM(活性または%)は減少していた。以上の変化は、Ca^<++>拮抗薬(ジルチアゼム、ベラパミル)の投与では全く改善されず、インスリン投与でほぼ完全に正常化したことから、インスリンの作用不足に起因するものであり、細胞内Ca^<++>overloadとは直接関係がないと思われた。この特異なアイソザイム変化は、本モデルでは心筋虚血や心不全が存在しないか、または存在してもそれらに対する代謝的適応を欠くことを示唆する。 (3)再潅流心におけるLD_1活性の回復、およびLDーHサブユニット活性の回復傾向は、心筋の好気的代謝の回復および(または)心筋への炎症性細胞浸潤の阻止を示唆する。
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