研究分担者 |
大場 信弥 (株)日立製作所中央研究所, 主任
野口 浩 (株)ナック映像技術センタ, 部長
森本 吉春 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20029573)
OHBA Shinya Hitachi Ltd., Central Research Laboratory, Manager of Mobara Office
瀬口 靖幸 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20031073)
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研究概要 |
固体撮像素子の撮影領域を小さくすることにより,撮影速度を速くした高速度ビデオカメラを開発した.撮影した画像はパソコンやワ-クステ-ション上で動く画像処理プログラムにて解析される.とくに本研究で開発したフ-リエ変換モアレ法/格子法プログラムは,精度よく格子画像や干渉じま画像を解析することができ,変位やひずみや変位速度やひずみ速度の分布を計測できる.この高速度ビデオカメラと解析プログラムを用いて種々の高速現象の解析を行った. 1.MOS型固体撮像素子およびCCD型固体撮像素子を用いた高速度ビデオカメラを開発した.高速度ビデオカメラの出力信号はディジタルメモリに繰り返して記録され,現象発生後トリガ信号を送ることにより,その映像デ-タを保持する.そのため高速現象との同期が容易である.撮影速度,画像の大きさ,表示方法などはパソコンでコントロ-ルできるので使いやすい.この高速度ビデオカメラの性能仕様は,設計最高速度は約1200万駒/秒であるが,ノイズなどのため,実用的には11×1画素で約42万駒/秒である.記録可能時間は約1秒である. 2.撮影したビデオ画像を解析するための動画像解析プログラムやフ-リエ変換モアレ法/格子法のプログラムを作成した. これにより脳性麻痺患者の首振り運動などの動画像解析や弾性体中を伝わる除荷応力波の伝ぱや自由振動中の弾性体中の定常振動を解析した.応力波伝ぱ中の変位,ひずみ,変位速度,ひずみ速度分布の解析を行った. 3.フ-リエ変換モアレ法/格子法の適用範囲や精度を上げるための検討を行い,画像両端の不連続部の影響による誤差,エリアシングによる誤差,画素数の影響などを調べ,その改善法を示した. 4.市販の固体撮像素子だけを使うのでなく,新たに高機能な高速度ビデオカメラ用固体撮像素子を開発する場合の検討を行った.
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