研究課題/領域番号 |
01870108
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 裕 大阪大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20127252)
|
研究分担者 |
松山 泰三 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
北畠 顕 大阪大学, 医学部, 助教授 (00124769)
井上 通敏 大阪大学, 医学部附属病院, 教授 (30028401)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
1990年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1989年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
|
キーワード | 超音波組織性状診断 / 拡張型心筋症 / インテグレイテッド・バックスキャタ- / 急性心筋梗塞 / インテグレイテッド・バックスキャッタ- / 2次元RF信号 |
研究概要 |
我々は超音波心筋組織性状診断のために新たに開発した2次元RF信号収集解析装置を用いて、急性虚血心筋における超音波後方散乱特性の経時的変化ついて検討を行なってきた。これらの検討により、拡張末期と収縮末期のインテグレイテッド・バックスキャタ(IB)の平均値(averged IB)は虚血15分後より上昇し、拡張末期と収縮末期のIBの差(cyclic IB variation)は同じく虚血15分後より減少した。以上より両者は急性虚血心筋における後方散乱特性の経時的変化を鋭敏に反映するパラメ-タであることが示唆された。 さらに、我々は臨床応用を目的とするため、上述の後方散乱特性のパラメ-タを臨床現場で非侵襲的に計測するシステムをさらに新たに開発し、心筋症患者と健常例の差について基礎的検討を行なうことを目標とした。初年度までは、摘出心筋標本を対象としていたが、ヒトに対して非侵襲的に超音波散乱特性を計測するためには、体表面から胸壁を通して超音波ビ-ムを投入せざるを得ない。このため、心筋に到達する超音波ビ-ムの強度、散乱後の減衰および感心領域の設定などの条件により、IBの計測値は非常に変化し安定した計測が困難となる。 我々は、この制約を克服するため、超音波診断装置から2次元の形で信号をとりだし、汎用ワ-クステ-ション上で信号をデジタイズし、信号強度を計測し得るシステムまず構築した。Mーモ-ド超音波像において同一超音波ビ-ムにより得られた左室心腔内血液のIBによって、IBを基準化したのち、左室後壁、心室中隔のそれぞれについて、拡張型心筋症症例と健常例のIBを比較したところ、拡張型心筋症例ではいずれのIBも高値である傾向が得られた。 現時点では、IBが約90dBのパワ-バンドを持つために正確な信号処理が困難である等の、さまざまな要因により、臨床の場で安定してIBを計測することが非常に困難な状況であるが、IB計測値に影響を与える要因とその程度についてさらに検討し、ア-チファクトの影響の少ない感心領域の設定等についてナレッジ(知識)ベ-スを構築する予定である。
|