配分額 *注記 |
17,300千円 (直接経費: 17,300千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
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研究概要 |
皮膚病変の病理組織標本において,その主病変の約90%は表面からおよそ3mm以内に含まれている。従って,超音波でこれを検出しようとする場合には,表面から5mm程度の深達性があればよいことになる。本研究では,30MHzのリニア-型高周波超音波プロ-ブと発振回路を試作し,このプロ-ブで皮膚の垂直断面像を求め,この断面と垂直に,すなわち,皮膚表面と平行に機械的に走査させ,得られた多数枚の連続皮膚超音波断面像から,画像として必要な部分を切り出し,コンピュ-タ・グラフィックスの手法により,生体内の三次元画像を作成した。その後,皮膚病変部を切除して,病理組織像と比較検討した。 その結果,皮膚表面の所見からは窺い知れない病巣の立体画像を生体内で確認することができた。この手法は悪性黒色腫などのように,病巣の表面からの深さが予後を左右する場合や,生検を行うことの躊躇される場合には,予め,三次元的に底部の所見を観察,計測できるところから,治療方針を決定する上で計り知れない価値があると考えられる。 今後の課題としては,電子走査型プロ-ブはセクタ-走査型プロ-ブに比べて走査時間が極めて短い一方で,方位分解能のやや劣る事はやむを得ないものの,分解能をもっと理論値に近づけることと,本装置以外の機器にも汎用性のある三次元再構築ソフトプログラムを開発することであろう。
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