研究課題/領域番号 |
01J02707
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇野 康司 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 朝鮮半島 / 中国大陸 / 東アジア大陸 / テクトニクス / 古地磁気学 |
研究概要 |
岩石磁気学的実験の結果、朝鮮半島のサンプルが保有する磁性鉱物は、主にマグネタイトおよびヘマタイトであった.マグネタイトを有するサンプルにはピロータイトと共存するものもあった. 反射顕微鏡観察の結果、ヘマタイトが残留磁化を担うサンプルを顕微鏡観察で観察した場合、赤い内部反射よりヘマタイトが実際に存在していることが確認された.マグネタイトが残留磁化を担うサンプルを観察した場合、主にマグネタイトが確認されたが、そのマグネタイトの内部に光学的異方性を持つ部分が確認された.この光学的異方性を持つ部分はピロータイトであることが確認され、マグネタイトの鉄分を利用して二次的に形成したと結論された. 超伝導磁力計を使用した段階熱消磁実験の結果、最終的に7地点から、信頼可能な残留磁化成分を得ることが可能となった.この7地点のうち、2地点がヘマタイト、5地点がマグネタイトに残留磁化を担われている.7地点から得られた残留磁化成分は、その磁化の獲得時代を判定する褶曲テストに95%の確率で合格したことから、これらが前期ジュラ紀の自然残留磁化記録であることが示された.この古地磁気方向から、朝鮮半島の前期ジュラ紀を代表する前期ジュラ紀の古地磁気極を求めることが可能となった.この古地磁気極は、北中国地塊からの同時代の古地磁気極に対して一致を見せないが、南中国地塊から発表されている前期ジュラ紀の古地磁気極に対して良い一致を見せた.このことから朝鮮半島の少なくとも調査地域周辺(朝鮮半島中西部)は南中国地塊の一部として前期ジュラ紀以降振舞っていたことが明らかとなった.これまでの知見を合わせると、朝鮮半島はテクトニクス的に、北中国・南中国地塊両方の構成要素から形成されていることが今回明らかとなった.私はこの古地磁気学的結果が、朝鮮半島内部で北・南中国地塊間の衝突が生じたことを示す証拠であると結論する.
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