研究課題/領域番号 |
02301009
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
新田 博衛 (新田 博衞) 京都大学, 教養部, 教授 (80026749)
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研究分担者 |
愛宕 出 京都女子大学, 短期大学部, 助教授 (90152496)
米澤 有恒 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70093341)
五十嵐 節子 ノートルダム女子大学, 文学部, 助教授
中村 興二 奈良女子大学, 文学部, 教授 (50000360)
野口 榮子 関西学院大学, 文学部, 教授 (70087691)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 消費 / 記号 / シミュラークル / 非日常性 / 説話画 / 典礼 / ファッション / 神なき時代 / 物 / 皮膚感覚 / 礼拝 / パラダイム / 他界 / 鑑定 / 宇宙感触 / 日常性 / 好奇心 / ポストモダン / ジェンダ- / 化身 / 神の子 / 服飾 |
研究概要 |
藝術の「消費」という概念について、ヴァレリー『詩学の講義』を出発点とし、ボードリヤ-ルの諸著作及び最近の貨幣論を参照しながら、その今日的な意義が探られた。消費社会の構造が藝術受容の在り方に類似していることから、逆に、美学から社会科学への照射が可能になる、という結論が得られた。 西洋キリスト教美術における建築・彫刻・写本挿絵について、その典礼上の機能が探られた。美術史学において従来は等閑視されてきた「典礼」の意義があらためて確認された。 中国及び日本の絵画・彫刻について、画論や説話文献等を参照しつつ、その受容(消費)の実態が探られた。 ハイデッガ-の用語「非日常性」について、その藝術との連関が探られた。「理論的」と「実践的」という2つのカテゴリーに関して、美学と藝術学との間に食い違いのあることが指摘された。 現代は「神なき時代」であるが、西欧藝術がもっぱらキリスト教的であった19世紀までと異なり、現代の藝術は新しい様相を呈しはじめている。この間の事情が写真を中心に探られた。 現代はシミュラークル(実物としての模造物)の時代である、という認識に基づいて、プラトニズムの崩壊現象が民話を通じて探られた。 美学研究が藝術だけに局限されてはならない、という観点から、特に消費(受容)と関係の深い服飾が採り上げられ、18世紀フランス絵画がファッションの立場から見直された。
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