研究課題/領域番号 |
02452039
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
櫛田 孝司 大阪大学, 理学部, 教授 (00013516)
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研究分担者 |
兼松 泰男 大阪大学, 理学部, 助手 (00211855)
栗田 厚 大阪大学, 理学部, 助手 (70170082)
木村 正廣 (木村 正広) 大阪大学, 理学部, 助手 (40028238)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | レ-ザ-誘起蛍光 / 不均一広がり / 蛍光の狭帯域化 / 共鳴蛍光 / 非晶質 / 色素分子 / Eu^<3+>イオン / 単色光励起 / 配位座標モデル / 希士類イオン / 構造的準安定状態 |
研究概要 |
ガラスやポリマ-などの非晶資中の局在電子の場合のように、光スペクトルに均一広がりの寄与が大きい場合には、これを取り除いて初めて詳しい情報を得ることができる。そこで、試料に単色光を照射して特定の遷移エネルギ-をもつサイトにある中心のみを選択的に励起し、それからの蛍光を測定することにより不均一広がりを除く方法について研究した。特に、蛍光の減衰時定数が短いために励起光の散乱と蛍光の分離が難しく、これまで成功しなかった。凝縮系中の色素分子を対象にこのような測定を行なう方法を開発することと、波動関数のよく知られたEu^<3+>イオンを含む系について詳細な解析を行うことを主な目的にした。前者については、cwモ-ド同期色素レ-ザ-からの時間幅の狭い光パルスと時間相関単一光子計数法を組み合わせることによりこれが可能であることを明らかにし、ポリマ-中の色素分子ならびに色素蛋白質中の発色団を対象にして、実際に、共鳴蛍光線を含めてサイト選択蛍光分光の測定を行うことに初めて成功した。またこの方法を用いて、サイトのエネルギ-分布や単一のサイトにある色素分子のスペクトルを実験的に決めた。さらに、吸収スペクトルと蛍光スペクトルの形状の間に鏡映対称の関係があることを確かめるなど、分子性非晶質系における不純物分子の不均一ならびに均一なスペクトルについて多くの知見を得た。また後者については、単色光励起による蛍光スペクトルの解析からガラスやポリマ-中の結晶場パラメタ-の分布や遷移の機構を決定することが可能であることを示したほか、スペクトルの形状や励起波長依存性などが波動関数から出発した詳しい解析の結果と予盾なく理解できることを確かめた。またガラスとポリマ-におけるサイト選択蛍光分光の結果と、結晶の場合の圧力効果の実験結果との比較なども行い、サイト選択蛍光分光法の有効性を確かめた。
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