研究概要 |
本研究は、不完全な領域理論の下で、妥当かつ有用なマクロル-ルを獲得する方法論を確立することを目的に設定した.そのために, 1)従来のEBLの枠組みを複数例題下に拡張すること, 2)EBLとSBLを融合した統合的学習モデルを構築すること, 3)プロトタイプの学習システムを実装し,例題への適用通じて提案した方法論の有用性を確認すること, を具体的な目標に設定,つぎのような研究成果を得た. 1)拡張EBLに基づく統合的枠組みの提案 従来のEBLを論理プログラムの枠組みのもとで,複数例題下に拡張した拡張EBLを提案し,操作性規範として,利用度最大化および後戻り最小化の基準を導入し,最小EBGの関係を調べ,最小EBGは,複数例題からつくられる共通説明構造の汎化空間において,操作性規範を満たす有用な概念であることを明らかにした. 2)共通説明構造を利用した矛盾問題への接近 複数の説明構造からつくられる共通説明構造の汎化階層を作成し,汎化階層をトップダウン的に探索することにより,負例を排除する適切なマクロを獲得する方法を提案した.この方法は,すべての負例を排除するもっとも一般的なマクロを見出すことができる. 3)メタ領域理論を利用した制御不能問題への接近 説明構造の構築が計算資源の制約から事実上不可能な制御不能問題に対し,メタ領域理論を導入した接近法を提案した.すなわち,ル-ルの選択を正当化するメタ理論として,usefulーop/4を導入した.これは,従来方法の自然な拡張であり,文脈情報の付加により,さまざまなメタ領域理論を表現することができることを示した.
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